教育福島0129号(1988年(S63)02月)-031page
できる能力・態度が育成されるよう指導計画の作成に努める。(三) 生徒の学習到達の実態を踏まえて指導計画を常に検討し、計画、実施評価の一体化を図る。
二 指導内容の精選・構造化を図る
(一) 多様化した生徒の実態を踏まえ、基礎的・基本的な内容を精選し、生徒の学習効果があるよう教材の構造化を図る。
(二) 生徒の思考過程を重視した学習をより有効にするため、学習に適切な資料を準備するとともに写真・図版・統計等の活用について配慮する。
三 学習指導法の研究と授業の充実に努める
(一) 生徒の能力・適性・進路等がますます多様化しているので、指導の個別化、学習の個性化の観点から、生徒を積極的に学習に参加させる指導方法を工夫し、その実践に努める。
その際、資料や教育機器などの活用場面を十分に工夫し、生徒の理解や思考が一層深まるような指導法の改善に努める。
四 学習指導要領の趣旨に即して「現代社会」の指導に一層努める
(一) 生徒の実態に即し、身近で具体的な事象を教材化して思考や判断力を養う。
(二) 生徒の問題意識を喚起し、学習内容を生徒の課題意識まで高める。
(三) 学習の個性化を図るとともに、評価のあり方に特に情意面の評価について研究を深める。
(四) 選択科目との有機的関連を一層図るよう研究を深める。
数学
指導要領の趣旨を踏まえ、基礎的な知識や技能の習得を図るとともに、基本的な概念や原理・法則の理解を深め数学的な考え方や処理の仕方を身につけさせるため、次の次項に留意する必要がある
一 生徒の実態に応じて学習内容を重点化し、教材の精選を図る
(一) 生徒の実態に応じた適切な科目を履修させる。また、適切な教科書を採択する。
(二) 生徒の実態に応じて、学習内容を重点化し、教材を精選してゆとりのある充実した学習をさせるようにする。この際、各科目の内容相互の関連を図るとともに、学習内容の系統性に留意して教材を効果的に構成する。
二 学習指導法や評価のあり方を改善し学習意欲を高めて基礎学カの定着を図る
(一) 学習目標を明確にし、その目標達成の度合いが十分に把握できるよう、個人内評価や情意面の評価を取り入れる。これにより、課題意識を明確
にさせ、意欲を喚起するとともに、基礎学力の定着を図る。
(二) 教育機器や計算機等を利用したり学習に作業を取り入たりして数学に対する興味・関心を高め、指導の効果をあげる。
三 数学的な考え方、処理の仕方を身につけさせる
(一) 基礎的な知識や技能の修得を図るとともに、基本的な概念や原理、法則の理解を深めて、これらが問題解決に生かされるようにする。
(二) 論理的思考に関しては、演えきとともに帰納、類推の方法も理解させて、特殊から一般へ、一般から特殊への数学的な手法を身につけさせる。
(三) 一般的に成り立つ性質を見つけたり、より高い立場から見直したりして、いくつかの領域の事項を関連づけ、まとめ、体系化してゆく数学的な手法を理解させる。
(四) 具体的な事象は、理想化、抽象化、条件づけ等がなされて数学の舞台にのせられ、数学的な手法によって処理され、その解が求められて解釈される。このことを身のまわりの多くの具体例を通して理解させる。
四 指導の内容・方法について中学校数学との関連を密接にする
(一) 中学校数学の内容の補充・定着を図る指導は、ある時期に集中的に行うか、高校の学習事項に関連して必要に応じて行うか、生徒の実態や教材内容に即して適切な方法を考える。
理科
学習指導要領の趣旨を踏まえ、高等学校理科の目標を達成するため、次の次項について努力することが望まれる。
一 各科目の目標を正しく捉え、生徒の実態に即した教材の精選と構造化を図り、より具体的な指導計画の作成に努める
(一) 指導計画の作成にあったては、観察・実験などを重視し、次の三点に努める。
1)自然を探究する能力・態度を育成する。
2)自然の事物・現象についての基本的な科学概念の理解をする。