教育福島0131号(1988年(S63)06月)-013page

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今後もこれらの事業を積極的に推進していきたい。

 

(二) 人間性の育成を図る交流教育の推進

(1) 人間社会の一員としてすべての人を尊重する子どもに育てたい。現代社会のなかで多忙な生活をしていると、とかく大人も子どもも人間関係が狭い範囲に限られ、そのため自分本位で利己的になり、他人の立場や人の心の痛みを感じなくなってしまう。常に多くの人間の中の一員であって、他との協調のなかに生きていることを自覚させたい。

(2) 多くの交流のなかから豊かな心情を育てたい。

人との交流のなかで感受性の豊かな、温かい、そして他人の怒りや悲しみに共感できる子どもを育てたい。それには、子どもたちが、いろいろな場面で自分たちで解決しなければならない経験をさせ、それを適切だ指導していくことが必要になってくる。

(3) 協力しあう態度を育てたい。

人間の社会は共同によって営まれお互いに協力することなしには、この複雑化した現代社会のなかで生きていくことはなかなかむずかしい。今後ますます高度な福祉社会を目指しているわが国では、子どものうちから、真の協力や真の助け合い、真の福祉の基本になる心や態度を培っておく必要がある。

(4) 生涯教育の意味をもたせたい

交流教育の中で育つのは子どもばかりではない。親も教師もまた地域社会の人々も、障害児のなかから学ぶべきものが多くある。いわば大人の社会教育の意味ももち、子どもの交流の輪ばかりでなく障害者と健常者との交流の場も広くし、大人自身の学習や大人同士のお互いの磨き合いを期待しているのである。子どもを教育する最も直接的方法は、大人が範を示すことにほかならないからである。

 

(三) 交流教育の研究の構想

養護教育交流推進校に指定した小学校、中学校での交流教育への取り組みは、学校の諸条件により様々である。学校所在地、学校規模、体制の整え方、保護者の意識、また協力校の児童生徒数や障害の種類・程度など、これらの条件が交流教育計画の立案と推進において、十分考慮されねばならない。

交流活動としては、学校全体としての交流の場から、学年、学級へと活動単位が限られたものと、交流活動の内容に応じた段階的交流の場が考えられている。一方、心身障害児の立場からは、障害の種類、程度に応じて無理の

 

(資料2)交流教育推進の構想 (郡山市立大槻小学校)

 

 

 

 


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