教育福島0131号(1988年(S63)06月)-014page
ない交流推進のための段階を考え、心身障害児の交流に対して児童生徒の補助の仕方についても、幾つかの段階を考えて実践してきている。
右に資料2として示すのが交流推進の研究の構想である。これらの内容をどのような順序でどのように進めるか、盲・聾・養護学校との連携を十分図って計画しなければならない。
(四) 交流教育の成果
(1) 交流の感想文から
心にのこる交流学芸会
小学校六年
目が見えない
耳がきこえない
そんなことふっとばすような
げきや合そう
一つのことに集中した
いっしょうけんめいな姿
それを見たとき
私たちのなやみなんて
ちっぽけなもの
意地のはり合いでケンカするなんて
ばかげたこと
こんなじゃ
盲ろう学校の人たちにわらわれるぞ
私たちは、もっともっと
心を広くもたなくちゃ
(2) 実践校の報告から
交流教育は、健常児集団と障害児集団とをぶつけ合わせて、共に変容させていくという試みである。そのなかで心身に障害のない児童生徒たちにとって、交流教育は自分たちと心身障害児のなかに多くの共通点を見いだして仲間意識をはぐくんだり、心身障害児の障害を克服する意欲にふれて、自分の生活の姿勢や学習の態度を反省したりするよい機会となっている。
また、心身障害児はもとより、幼い子どもやお年寄りを含めて、自分たちの地域社会を構成しているすべての人々に対して、思いやりの気持ちを育てる活動の場とも考えられる。そして、これまで、交流教育を実践してきた小学校や中学校からは、交流教育が心身に障害のない子どもたちの人間性の育成に意義深い教育活動であるという多くの報告がなされている。
さらには、一般の人々に対しても、障害者の問題は他人事でなく、健常者が事故や病気で障害者になったり、健康な両親から出産時の異常などにより障害児が生まれたりすることなどを理解・認識させることも意義があるとの報告がなされている。
五 教職員研修の充実
養護教育に携わる教師は、単に教科等の指導法の研究のみならず、心身の障害の種類や程度、特性などに関する幅広い研修も必要となってくる。特に、児童生徒の疾患に関する知識やそれに関わる児童生徒の心理等、医学や心理学等の多くの分野に関する内容まで、研修しなければならない。
この意味で本県では、研修を重視し、多くの研修行事を実施している。授業研究や事例研究を通して情報を交換し、同僚の実践に学んだりすることのできる校内研修は、校内の課題と教員個人の教育力を高める上での基盤となることにかんがみ、今後一層の充実に努める必要がある。
1、校内における研修課題と研修体制づくり
(1) 研修課題について
どのような研究主題を設定するにしても、学校の教育目標との関連づけをはっきりとさせておくことが大切である。
学校には教育目標があり、これに向けてすべての教育活動が展開されるわけである。教育目標の具現化のため、学校では毎年度、努力目標や重点目標を設定するが、これらの目標の中には、現在学校が抱えている課題が、そのまま表現されている場合が多く、研修課題と教育目標は、切っても切れない関係にあると言える。
研修課題の設定に当たっては、学校の教育目標を踏まえるとともに、学校の実態や児童生徒の障害の種類・程度を考慮して、次の点に留意することが大切である。
1) 養護教育に関する今日的な課題であること。
2) 県の養護教育指導の重点を踏まえること。
3) 教職員にとって課題意識がなされやすいように具体的であること。
(2) 研修体制づくり
研修体制を支える基盤として
1) 指導に対する教師の主体的な取り組み。
2) 教師の個人研修に対する意欲。
3) 教師間での児童生徒指導に関する日常的な話し合い。
4) 日常の教育実践に対する創意工夫。などがあげられる。
校内研修を進める際に、これらの基
情報を交換し、学び合いの場となる校内研修