教育福島0131号(1988年(S63)06月)-018page
特集2
生徒指導の充実
−児童生徒一人一人のより良い発達を願って−
積極的な生徒指導の推進
−小・中学校−
はじめに
昭和六十二年中に県内で補導された少年は、二万五千五百五十一人で、前年に比べ七百七十二人一二・九パーセント一減少したが、依然として戦後第三のピークを形成している。
本県における少年非行の特徴的傾向は次のようである。・刑法犯少年は、前年に比べ二百九十四人減少したが、依然として高い水準にある。・小・中・高校生の非行が刑法犯少年全体の八割以上を占め、特に中学生が非行の中心をなしている。・万引きや乗物盗などの初発型非行が刑法犯少年全体の六割以上を占め、増加の傾向にある。・校内暴力事件は減少傾向にあるが、教師に対する暴力事件が増加している。・シンナー等を乱用して補導された少年は増加に転じた前年を更に上回り、特に、中学生が三十五人一二十三パーセント)と大幅に増加した。
このような少年非行に対する適切な対応は、学校生活を正常化させ、すべての児童生徒に充実した生活をさせるための重要な教育活動である。非行等問題行動の防止には、全教師が一貫した態度で当たるとともに、地域や関係機関・団体と常に連携を図り、児童生徒の健全育成に努めなければならない、
しかし、生徒指導の本来の意義は、このような非行対策というような消極的な面にだけあるのではない。生徒指導に当たる者は、表面的に表われた問題行動にのみ目を奪われることなく、生徒指導の原点に戻って、児童生徒の内面、心に目を向けて、一人一人のより良き発達を促すような指導の充実に努めていく必要がある。
以下、積極的な生徒指導を進める上で重視すべき点について述べる。
一、基本的な生活習慣の形成を図る生徒指導
基本的生活習慣の内容としては、主
〔資料1〕昭和62年の少年非行〈県警本部防犯警ら部少年課調べ〉
〔資料2〕
刑法犯少年の学職別構成
〔資料3〕
刑法犯少年の初発型非行
〈県警本部防犯警ら部少年課調べ〉