教育福島0131号(1988年(S63)06月)-030page
私がいきなり大学の厳しい「合宿所生活」に入った時には、自分の考えの甘さに気づき、とまどいを感じ、正直なところつらくて逃げ出そうと思ったことも一度や二度ではなかった。
しかし、一つの目的を持った者同士が一つ屋根の下で生活していくことの素晴らしさ、試合に勝てば全員が一つになって喜び、負ければ全員がその悔しさを分かち合う、このお互いの強い絆を感じたとき、私はレスリングに魅力を感じ、さらにのめりこんでいったのである。
今、合宿所生活を振り返ってみるとき、そこで得たものは、社会生活の中での最も基本的なことであったように思う。ルールを守ること、人間関係の大切さなどである。
一年前に私は教師としてのスタートを切ったばかりであるが、いろいろ考えさせられることがある。例えば、教科指導では悩みの連続であり、部活動でもねらいになかなか到達できず、生徒との間に溝を感じたりもする。先輩や同僚の中にあっては、年齢の差や人間関係のむずかしさなど多岐にわたる。しかし、私は教師二年生。大学の合宿所で培った「自分自身の人間形成」を永遠の課題にして、先輩の先生方から教えてもらいながら、生徒と共に生き、喜び苦しみを分かち合うことができる指導者になれるようがんばっていきたい。(平田村立小平中学校教諭)
○県教育委員会では、本年度も左記要項のとおり「県文学賞」の作品を募集します。
詳細については、県教育庁文化課(〇二四五・二一・一一一一)までお問い合せ下さい。