教育福島0131号(1988年(S63)06月)-031page

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二十二ページより続く

 

地域連携部

(一) 研究のねらい

「家庭・地域との連携を密にして、生徒の健全育成を図る」ことをねらいとして研究・実践を進めた。

(二) 実施内容と方法

1 生徒の家庭・地域参加についての啓発

生徒が、家庭・地域の一員として各種行事に参加することは、家庭や地域の一員として自覚するためにも大切なことであり、健全な発達を促すためにも望ましいことである。その場の設定は次のとおりである。

ア家事手伝い イ町祭礼

ウ雪まつり エ交通安全パレード等

2 生徒のボランティア活動の推進

全校生徒にボランティアのタイトル(小さな手から大きくしようボランティア)を募集したり、月別ボランティア実践点検をして意識の高揚を図ってきた。報酬を期待せず、奉仕する心を育てることが人間性を養い、自己を向上させるためには大切である。

1) 全校ボランティア活動

年三回、公共施設に対して感謝の気持ちを持って奉仕作業を実施した。

2) 親子クリーン作戦

保護者と一緒になり、ふだん目の届かない場所の清掃活動をした、

3) あいさつ運動

生徒会が中心となり、登校時、昇降口において自主的に活動している場面が見られるようになってきた。また、全校集会でも話し合われ、あいさつの必要性やそれを習慣化するなど、活発に意見交換がなされた。

3 学校・家庭・地域の連携の強化

1) 地区懇談会

六地区に分け、年二回(七月・十一月)実施している。参加者は学校側、PTA役員、民生委員、区長、健全育成会役員、保護者が一体となり勉強し合った。

話題になった点は、

○親は子どもに遠慮していないか。

○勉強第一主義で、人間性が失われていないか。

○責任感は、子どもはもちろん、大人にとっても不可決な条件である。

○自転車通学者の安全確保については、厳しく指導する。

○あいさつは、子どもより先に大人がする。

○家庭のしっけは個人に対して、学校では集団に対して行う。

○親の役割についても話し合われ、地区連携の重要性が、保護者、教師間で再確認された。

2) 家庭回覧ノート地区ごとに何でも気軽に書いてもらい、学校と保護者のパイプ役を果たした。

3) 只見中生徒指導連絡協議会

学校アドバイサーを中心に、公民館、派出所長、青少年健全育成協議会長、小中高校長、社教主事に、それぞれの立場から本校生徒に対する意見を出してもらった。

 

五 研究の成果と今後の課題

(一) 研究の成果

発表力・実践力に乏しい本校生徒に「場」と「機会」とを与え、具体的な活動の方法を指導した結果、

1) 生徒の積極的な発表力や実践力が身についてきた。

2) 教師側が率先垂範で学校生活の改善にとりくんでいる。

3) 生徒の健全育成を願って地域連携が図られた。

(二)今後の課題

「自ら進んで行動できる生徒の育成」は、教師のたゆまぬ努力と地域連携を一層深め、効果をあげなければならない。そして、今後予想される高度技術化、情報化、国際化社会に対応できる、実力のある生徒を今後も継続指導で育てていきたい。

 

人間的な触れ合いを深め、一人一人を生き生きと活動させる生徒指導

−学年学級づくりを通した自己実現の方策−

福島市立北信中学校

 

一 主題設定の理由

本校は福島市の東北部に位置し、四地域の小学校からの入学者により編成されている。

JR東北本線東福島駅より徒歩五分、国道四号線、国道十三号線、福島北幹線道路に囲まれ、農免道路、飯坂伊達街道など交通道路網が整備され、広々とした果樹園、農地などが次第に宅地化され、さらに団地やアパートなどの造成が進み、福島市のベットタウン的様相を呈してきた。校舎、体育館の増改築も三年来進められてきた。純粋な専業農家は三・八パーセントにまで減少し、家庭の職業も多種多様にわたっている。生徒が学校から帰宅してもその時刻に両親とも家に居ない家庭も少なくなく、母も職業をもっている家庭は七十パーセントに達している。

研究を進めるにあたって、そのような地域の実態や、社会情勢の今日的課題と、さらに本校生徒の実態を把握するとともに、その問題点を明らかにし今後の指導の糸口を見い出そうとした。

本校の生徒は物事に対して受身的で連帯感や粘り強さに欠け、物事に無関

 

 

 


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