教育福島0131号(1988年(S63)06月)-037page
結果は、入学前の学力検査の成績に関係なく、高学年になるほど合格率も平均点も高まっていることは、同一教材を反復練習してきた効果の現れである。
反面、追試に要する教師の負担一問題作成、個別指導、結果処理等)が大きく、労力のわりに実りが少ないなど消極的な意見が出た。基本的に教師が全員で事にあたるという意識の集中化の必要性、また、年度ごとに方策を確認し合い、生徒に趣旨の徹底を図ることが必要であると考える。
なお月例テストの平均点、合格率、満点者の推移を資料3として記載する^
昭和六十二年度から、満点合格者を発表、掲示し、通年満点獲得者に対して表彰することになった。通年満点獲得者数は、国語と数学あわせて、第一学年は男子が一人、第二学年は女子が二人、第三学年は男女あわせて四人であった。努力する生徒にとって効果的な方策になるものと確信している。
4) 学習指導法の改善・充実
本校生の成績不振の原因は学習意欲の欠如や学習への興味・関心を示さない無気力さにその原因があると考え、各教科とも「わかる授業」を目指して創意工夫を行っている。
ア 理科のプリント学習一詳細略)
本校生徒は、実技を伴う科目は比較的取り組みがよいので、理科1)の化学の内容を実験だけ年間十六テーマに絞ってプリント授業を実施。
イ 放課後の個別指導一詳細略)
能力の低い生徒の個別指導は放課後職員室で実施。英語科では、英文を読んだり、意味の解釈ができない生徒を対象に、定期考査前に本文の意味を確認するための個別指導を実施し、確認がとれれば三十点になるというような実践もしている。
(二)、目的意識の高揚
本校生の場合、九十パーセントの生徒は就職希望という現状から、進路意識の発達を促す指導が特に重要である、
特にロングホームルームにおける進路指導を充実(年間八時間)させるとともに、学校裁量時間(資料2)の学年学校栽量時間(約十二時間)の有効な活用(各種検査、講話等)を図ることにより、生徒の進路意識の高揚を促す指導を実施している。
(三)、基本的生活習慣(態度)の確立
学校生活への意欲の程度を示すバロメーターとしての欠席・遅刻・早退の中で特に「遅刻」についての指導。そして、家庭や学校に対する不満の現れであり、自分をコントロールすることができずに救いを求めているサインであったり、グループ色の強調であったりする「服装」についての指導を中心に据え、研究に取り組んだ。
1) 遅刻防止指導
遅刻した生徒は、職員室で遅刻届と入室許可証に認印を受け、同時に「遅刻生徒一覧」に氏名を記入して教室に入る。これらの生徒は、放課後、自主的に朝学習用テキストなどを使用して学習を行っている。
この定着した実践指導を「居残り学習」と称しているが、指導体制として、決められた時間の中で教科及びクラス担任が当番制で指導にあたり、学習状況の確認をするという形をとっている。昭和五十八年度以降、遅刻者数は減少傾向を示しており、この対策の有効性を示している。
定着した指導ということで、改めて協議の機会を持つことなく継続してきたものであるが、このような特殊な指導の場合は、特に、教師と生徒の共通理解を図り、反省・改善を図ることが大切になる。
現在、この「居残り学習」については、生徒指導部において、存続を含めての検討を開始したところであるが、本校生徒の実態に合った遅刻防止の有効な代案について、更に検討を進めているところである。
2)服装指導
いままで行ってきた服装指導の反省・をもとに、生徒自らが気づき、自ら改善への努力をするように、また、保護者との協力をもとに長期的な「段階的指導」を実践した。
内容は実施期間中、週一回の職員会議(学年会の場合もある)を持ち、状況確認をしながら、各段階の途中でも、その内容を変更する場合も考慮して実践に移った。
第一段階
生徒の活動の場(生徒会、ホームルーム、授業、部活動等)で服装問題を取り上げ、話し合わせた。生徒会標語
「みなおそう君の制服 その姿」
第二段階
学校の服装指導について家庭の理解、協力を得ることを中心に置き、協力要請文書の郵送、家庭訪問、個人面接を実施した。
第三段階
第二段階までに改善されない生徒については、保護者との三者懇談を実施し、協力要請をするとともに、校門指導を行うこととした。
昭和六十二年度、一学期から二
〔資料3〕月例テスト(平均点、合格率、満点者)推移