教育福島0131号(1988年(S63)06月)-038page
学期末まで、延べ一週間実施した結果、指導を要した生徒数は、当初、在籍者数の四分の一に当たる九十名であったが、保護者との連携の結果三十名程度に減少した。
第二段階での反響は大きく、家庭や地域の人々もこのことを待っていたかのように賛同の声を寄せてくれた。
わたしたちが最も心配していた、第三段階の校門指導は案じたほどではなく、素直な態度で指導を受けとめてくれた。
服装、頭髪等の指導は、一定期間内に限って評価するものではない。良好な状態が恒常的になってはじめて指導の適切さが評価できるものであると考える。したがって、いかに継続するかが大きな課題である。
現在、地域の人々の声として、「服装がよくなった」と聞くことが指導の励みとなっている。
(四)、諸行事の充実について
諸行事の計画、立案、実施のいずれもが教師主導型になることはまぬがれないが、それらを通して、生徒たちの変容が手にとるようにわかる(生徒個々人の能力、理解、クラス内の雰囲気等)ことを考えれば、学校生活不適応の生徒指導には絶体不可欠なものと考える。
1) 奉仕活動
人のために尽くせば人から喜ばれ、感謝され、自己の充足感にもつながるものを高校時代に味わわせるために種々の行事を実施している。代表的なものとして町の桜の名所でもある「城山」の清掃を毎年四月末に実施している。
2) 諸行事
本校では、生徒会主催クラス対抗の球技大会一前期・後期)、マラソン大会、合唱祭、学校裁量時間活用(資料2)の水泳教室、学校行事としての、いも煮会、スキー教室、生徒会、PTAとの共催で、芸術観賞教室等、多彩な、しかも、バランスのとれた各種行事を計画し、実施している。
諸行事に対する生徒の意識度や反応は、三学年が他学年に比して高い評価を出している。この数値は三学年になると、行事に対する取り組みが前向きで望ましいものとなっていることを示す。諸行事に積極的に参加する姿勢、協力する姿勢は、とりもなおさず学校生活適応の尺度でもあり、効果が上っていると考えられる。
また、諸行事開催日の欠席率と平日のそれとを比較した場合、資料4のようになるが、このことは生徒が明らかに授業には見られない期待感を持って参加している証明であり、所期の目的は十分達成されている。
(五)、ほめる指導
元来、本校の生徒指導は、注意や叱責の傾向が強かった。これも指導上、当然重要なことであるが、それだけのように生徒が受けとめているとすれば問題であるとの反省から、ほめる指導を確認し合い、現在継続実践しているところである。
1) 各種大会結果報告
各種大会で好成績を収めると、生徒会執行部が、その結果を速報で校内に掲示するという方法である。これによって、直接大会に参加した生徒は、自分たちの戦いぶりや健闘の感激を新たにし、一般の生徒たちも、それぞれの部や選手の活動に関心を示すようになり効果的であった。
2) 長沼高校スローガンづくり
校長発案によるもので、「な、が、ぬ、ま」のそれぞれの頭文字の下に文章を作るというもので、全校生徒に作成させ、優秀作品を表彰し、校内に掲示して紹介した。
○流れゆく 学校生活 ぬくもりと 真心ふれあう長高生
○投げ出すな がっかりするな 抜け出すな 真正面から取り組む長高生
○長い道程 ガッツで頑張り ぬき通す マイペースの努力 長高生
(六)、保護者と地域との連携
1) PTA地区懇談会
長沼、岩瀬、天栄、郡山、須賀川の五方部に学校側が赴き、地区内の保護者と直接懇談する方法で実施した。当初、種々の心配があったが、開催してみると出席率は八十パーセント以上に達し、意見交換も活発に行われ、好評を博した。
自慢のクラス旗の下に団結 球技大会
〔資料4〕欠席率の比較