教育福島0137号(1989年(H01)02月)-041page
時間を見出すのは児童たちである。始業前「ぼくの木」の回りのゴミを拾う子、休み時間に自分たちの花壇に水をやる子、放課後、除草作業に一心に取り組んでいる緑化班の子どもたち。活動の内容や時間は児童に任せている。活動後は班日誌に記録し、班担当の教師に見てもらう。担当教師はめあてに沿って評価をするとともに、児童の活動状況を見て気づいたことや、賞賛や助言のことばを赤ペンで記入する。これによって児童の活動意欲を更に高めるようにしている。
今後は直接体験活動を一層重視し、その成果を学習指導や生活指導に結びつけながら、緑化活動の充実を図っていきたい。
現代の子どもは美しさを感じる心を失っていると言われる。花と緑の環境づくりを通して、美的感受性を高め豊かな青操を培っていきたいと思う。
すもうをとり入れた体育活動
原町市立石神第一小学校
「ハッケヨイノコッタ、ノコッタ」「ガンバレーヘガンバレー」元気な声援が校庭にひろがる。毎年、九月下旬に実施される校内すもう大会での子どもたちの歓声である。
本校では、すもうを日本古来の伝統や文化に触れさせるための絶好の教材と考え、すもう大会を学校行事に位置づけ、体力向上に役立てている。
二学期始めの校内水泳大会が終わるころになると、校庭やすもう場を舞台にして、組んだり、投げたりの練習が始まる。どの子も自己流ではあるが、汗の下から満足そうな顔をのぞかせる。日ごとに、すもうへの興味・関心は増していく。正しい礼法も基本動作も目に見えて身についていく。
大会は、低・中・高学年ごとに運営される。試合は実に楽しい。下の学年や体の小さい子が勝つこともしばしばあり、五十三連勝の千代の富士に負けじと根生をみせ、土俵周囲は沸き上がる。
昨年度から取り入れた柔道の帯は、すもうの技をひろげ、女子も素足で土俵にあがることを苦にせず動く。
子どもたちは、すもうを通して、体のふれ合いから心のふれ合いへと友情の深まりをみせている。
北海道「大樹町、豊頃町」と姉妹都市交流
相馬市教育委員会
相馬市と大樹町・豊頃町は、明治時代に旧相馬藩士が移住して開拓するなど長い歴史的関係にあり、相馬市教育委員会では、市制施行三十周年を記念して昭和五十八年両町と姉妹都市の締結をしたのを機に小学生による文化親善交流を実施し、六年目を迎えている。
交流の趣旨は次のとおりである。
1、児童相互の交流・交歓により親睦と友情を深める。
2、相馬市と大樹町、豊頃町の生活、文化、産業、歴史等を探究するとともに、友好と親善に役立てる。
3、研修で得た体験を生かし、更に研さんに努め、リーダーとしての力を高め各団体等での活動に生かす。
一年目は小学生三十名を北海道に三泊四日の日程で派遣。以後隔年ごとの夏休み中、交互に交流交歓を継続している。
その間における主な活動内容として
一、国語班…アイヌ語集め、地元の言葉集め、伝説集め
2、社会科班…地名さがし、農・漁業及び地域の産物調べ、二宮尊徳先生の教えと今
3、理科班…地域の気候、風土調べ
全員でのマスゲーム、民謡、盆踊りミニバレーボール、小グループでの話し合いによる情報交換は、家庭や学校生活における仲間との生き方、協力協調の大切さを体得させ、人間性、社会性を豊かにし、更に郷土愛を高めている。
花壇の手入れをする子どもたち
女子のすもうも大熱戦
「わが町」を紹介する子どもたち