教育福島0184号(1995年(H07)01月)-021page

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する」と答えた生徒が5・7倍に増加したことなどから情報収集の場面では、「地震の研究」自体は有効であり、情報収集の方法や情報選択の幅は広がったと考えられる。(グラフ1)

2)25・5%の生徒が情報を手に入れる方法としてパソコン通信を回答したが、実際にパソコン通信を活用した生徒は少数であったこと、活用したのは一場面だけであったことから、研究を通してコンピュータを情報収集の道具の一つとして位置づけられたと断言することはできない。

(2)コンピュータを表現をするための道具の一つとして位置づけられたか。

1)研究の計画立案・調査研究・研究発表の場面で、生徒全員がコンピュータを活用したこと、88・9%の生徒がこれからも表現の道具としてコンピュータを使っていきたいと考えていることから、表現の道具としてのコンピュータは有効であると考えられる。

2)半数近い47・8%の生徒はコンピュータを清書する道具としてとらえており、コンピュータの本来の用途である強力な検索能力・計算能力に注目している生徒は少数である。データベースの活用など、今後の研究が必要であると考える。(グラフ2)

 

【グラフ2】

 

(3)コンピュータを情報を共有するための手段の一つとして位置づけられたか。

 

(3)コンピュータを情報を共有するための手段の一つとして位置づけられたか。

1)最も役に立った情報共有の手段として選ばれたのは、友人の発表であった。しかし、コンピュータや紙の上の情報も僅差で選ばれていること、これらが互いに補完し合うメディアであることから、他のメディアと組み合わせることを前提に情報共有の場面においてコンピュータは有効であると考えられる。(グラフ3)

 

【グラフ3】

 

ピュータが学習の授業改善の手段として有効であることを示していると考える。

 

コンピュータを授業で使用することに対して、88・9%の生徒が好意的な印象を持っている。これは、コンピュータが学習の授業改善の手段として有効であることを示していると考える。

6、研究の反省と今後の課題

(1)情報収集の道具としてコンピュータは、現時点では未知数である。しかし、実際にパソコン通信を体験した生徒は「遠いところであっても、パソコン通信によって、たくさんの情報がすぐに収集できることがわかった。」と答え、25・5%の生徒が今後パソコン通信をつかって情報収集・コミニュケーションの道具として利用したいと答えている。

生徒が主体的に活用できる場面を多く設定することで、他の活用方法を模索していきたい。

(2)表現の道具としてコンピュータは有効であったが、本来の機能である検索能力・計算能力については十分活用されていなかった。コンピュータのデータベース機能.計算機能を今後の実践の中でさらに研究していきたい。

(3)情報を共有する手段としてのコンピュータは、他のメディアと組み合わせ、互いに補完し合うことで有効に活用された。今後、音声や動画との組み合わせによるコースウェアの改善をおこなうことによって、より効果的な活用が期待できる。

後日、地震体験車を本校に招き地震の模擬体験を実施した。そこでは3年生が後輩達に誇らしげに地震の話をしている姿が印象的であった。学習体験と実体験とを結びつけられた一例であると考える。

 

 

 

 

 


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