教育福島0199号(1996年(H08)11月)-021page
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の出会い」というストーリーの中で、幅広い分野を紹介します。
(3)展示の全体構成
展示のメインテーマに基づき、ローカルからグローバルへ。また、過去・現在から未来へとつなげていくメッセージを内包しながら、「黒潮と親潮の出会い」を核に、福島の川から福島の海へ、さらには黒潮・親潮のふるさとへと展示を展開します。また、海が持つ多様性を生物・科学・文化など幅広い視点から紹介し、環境について来館者とともに考えるコーナー「オセアニックガレリア」を設けます。
五 展示ストーリー
本施設は単に基本ストーリー動線を追って見終る一過性の施設ではなく、来館者が興味のおもむくままに観覧・観察できる自由度(環流動線)をそなえています。
一般的な観覧順序にしたがった展示ストーリーは次のとおりです。
(1)エントランスホール
来館者はまず、光あふれるエントランスホールに導かれます。レサにはこれから始まる水族館展示への期待感を高める場所であり、また見終った来館者が余韻を楽しむ場となります。
(2)プロローグ
地球の創世〜生命の誕生
来館者は地球創世〜海の形成〜生命の誕生をたどり、古生代を中心とした海洋生物の進化を紹介した世界に入ります。アサヒでは古代生物の復元模型と化石資料、「生きた化石」と呼ばれる古い形質を持ち続ける生物が水中生物の多様な進化を物語ります。
(3)福島の川
緑豊かなアトリウム空間で福島県下の河川・池沼に生息する魚類、水生昆虫、両生類、爬虫類がジオラマ水槽で展示され、来館者は身近な水辺の生物の生活を観察できます。
(4)福島の沿岸
県下の磯・砂浜・藻場に生息する魚類、無脊椎生物、海藻類を展示するジオラマ水槽になります。ここでは波動や干満を演出します。
なお、「福島の川」及び「福島の沿岸」の展示は自然光を充分に採り入れた展示空間とし、県下に分布する植物と海藻類についても力を入れて展示します。
(5)北の海「親潮のふるさと」
福島県沖を流れる寒流(親潮)のふるさとをたどりトド、ラッコなどの北洋の海獣類を紹介します。
(6)オセアニック・ガレリア
「福島県の海の文化」「海洋の科学」「環境情報センター」の三展示エリアに分け、歴史資料、水生生物による実物実証的展示、参加体験型展示、情報検索装置などを用いた展示を行います。
また、アサヒではインストラクターが対象者の年齢に合わせた丁寧な解説を行います。
(7)南の海
「黒潮のふるさと」
黒潮のふるさとである東南アジアの水辺に繁茂するマングローブ植物と、そこに生息する生物を紹介します。またフィリッピン沖の熱帯性魚類を大型水槽で展示します。
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(8)潮目の海
〜黒潮と親潮のであい〜
来館者は三角トンネルの左右に対立する親潮水槽と黒潮水槽を見渡し、その違いを比較することができます。親潮水槽では岩礁風景とそこに生息する魚類、無脊椎生物、海藻類を展示し、親潮の海が持っている豊かさを表現します。一方、黒潮水槽では青一色の世界と、群れる魚類、遊泳力の強い魚類を中心に展示し、黒潮の持つ「動」のイメージを創出します。三角トンネルでは親潮と黒潮の水槽を両側に見ながら、個々の生物を観察できます。
(9)福島の海
他の水槽では混養飼育ができない福島県下の特徴的な生物をはじめ、飼育困難生物の飼育研究成果を展示します。
(10)グッチングプール
造波装置を設置したタイドプールを模したタッチシダプールではインストラクターを常に配置し、機に生息する生物に実際に触れて観察できるコーナーとします。ここでは、身近な生物でも別の視点から見直すと、新しい発見があることを教えてくれます。定時的に実験解説を行う水槽もあります。
(11)マリンシアター
本施設の展示テーマやメッセージをオリジナル映像で紹介します。また展示していない生物、海の雄大さ、自然のすばらしさと大切さ、海の環境問題についてもわかりやすくかつ楽しく紹介します。
(12)展望室
展望室からは小名浜リアルタイム・ウォッチングとして漁港、工業物流港、沖の開発海域のそれぞれの現状が観覧できます。
(13)その他
企画展示室、多目的ホール、レストラン、ミュージアムショップを施設内に設けます。
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