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大きな声で言ってしまいました。
息子だと思うと、親子の気やすさからか、声がだんだん大きくなってくるのがわかります。大きくなるだけならいいのですが、そのうち、つい手が出てしまったりします。
そんなとき、自分が親として息子に接していながらも、学校の他の子と比べてしまっている自分に気づくことがあります。学校では教師として、やはりしっかりできる子も見ているためか、どうして私の子はできないのだろうと思ってしまうところがあります。
比べてはいけないと思いながらも比べている自分を感じるとき、家でも先生をしているのではないかと思います。自分が教師という職に就いていなかったら、息子に対してもっと素直に接してあげられるのではないかと思うこともあります。そして、こういう思いを今後の子育てに生かしていかねばと思います。
子育てに悩む保護者の方と一緒に。
(いわき市立沢渡小学校教諭)
M子の手紙
浅岡千波
「一年間お世話になった先生への感謝の気持ちを込めて手紙を書きました。二年間本当にありがとうございました。先生には二年間も担任していただき、とてもうれしく思っています。私は中一の頃、髪を染めたり、無断欠席したり、まゆも細くしたりといろいろと先生方に迷惑をかけてしまいました。勉強も部活もろくにやっていませんでした。でも中二になり先生が担任になってからは、『どんなことでもいいから目標を持ちなさい』と、言われて、私は『心理カウンセラーになりたい』という大きな夢に向かって頑張ろうと決めました。今までろくに勉強もしていなかったけど、やはり自分の目標があると、取り組み方も違ってきました。少しでも夢に近づくには、努力するしかないんだということがわかりました。先生には進路のことなど相談にのっていただき本当にありがとうございました。十五日の入試には今までの努力を十分に発揮していきたいと思います。高校に合格したら大学に進むためにトップで頑張っていきたいと思います。そして、自分の夢を実現させたいです。三年三組になれてよかった。本当に楽しかったです」これは、今春、卒業式の後、担任したクラスのM子より手渡された一通の手紙(原文のまま)であ帳面な字で自分の心境を素直に述べたものだった。
私は自分なりに目標を見つけ、それに向かって努力してくれるようになった彼女の姿を思い、胸が一杯になり涙があふれた。二年前、私が担任したこのクラスは、経験したこともないほどの問題が山積みのクラスだったが、私は、生徒たち一人一人の心を開かせることに努めた。「目標を持ってやればできる」と常に励ましてきた。
私は、制服を着ている生徒たちの前では、いつも地味な服装に徹してきた。卒業式後、「先生は、いつも同じような服ばかり着ているから、これを身につけてください」と、生徒たちが小遣いで買い求めたという洋服をプレゼントしてくれた。私は優しい心情に胸を打たれ涙した。今、三十一名が栄冠を手に、自らの道を進もうとしている。
私は、心を開いてくれたこの生徒たちに感謝し、優しい心のこもった服を身につけて、新年度も子供たちと共に学んでいきたいと思っている。
(楢葉町立楢葉中学校教諭)
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