教育年報1956年(S31)-015/73page
学校種別間の交流をはかり移動範囲の拡
大等を実施するという観点に立って適
正、円滑な交流の行われるよう地教委に
対しあっ旋助言した。
人事交流についてかえりみると、
1 都市と農村の交流は昨年に比し大巾
な実現を見たが、なお不充分と思われ
る。
2 永年勤続者の交流についても相当の
成果を見られたが特に都市においては
同一地教委内での交流が多かったよう
であり、今後の反省の事項と思われ
るo
3 異動希望地は都市に集中している傾
向にある。
4 他管内との交流も相当行われたが、
その手続方法等に研究の余地が残され
ている。
5 校長の交流を除いては、まだ希望人
事に近いものである。この点刷新人事
の立場を強調する必要があると考えら
れる。
6 僻地教育振興の立場から山間僻地の
学校の人事交流が相当実現をみたのは
喜ばしい。しかし中堅教員の僻地校希
望者が少ないのは淋しいことである。
昭和三十年度末人事に関する
方針
地方教育委員会は、つとめて県教委の
あっ旋助言と県市町村教育委員会連絡協
議会の連絡調整を尊重し、県下全域の教
育向上を期し、左記方針に基き年度末人
事を行うものとする。
一、一般方針
1 教育の機会均等の理念に立脚し
て、教職員組織の適正化を図る。
2 県下全域にわたって、教育の能率
向上と刷新充実を図る。
3 新採用及び交流については、個人
の希望、生活事情等も考慮するが、
教育効果第一の立場をとる。
4 教職員組織における学校差並びに
地域差をなくすることにつとめる。
5 教職員組織の均衡、充実を期する
ために学校種別間の交流も行う。
6 同一地内に併置する小、中学校の
校長は、学校の規模及び地域の実情
に応じて兼務とすることができる。
7 教員養成機関新卒業生配当の適正
を期する。
二、校長の交流人事について
1 校長職の重要性を特に考慮し、適
材適所の配置を期する。
2 学校種別間の交流を図り、移動範
園を拡大する。
三、教員の交流人事について
1 上席教員の交流については、特に
考慮ずる。
2 中学校の教職員組織には免許教科
の均衡を図る。
3 二親等以内の者の同一校勤務は原
則として避ける。
四、新採用について
1 校長については、資格・人物・実
務・健康・家庭環境等について厳密
に選考し、有能者を抜てきする。
2 教員については厳選主義をとり適
格者をうるようにする。
3 他の都道府県に現職中のものを採
用する場合は、前二項に準ずる。
4 事務職員については第一項及び第
二項に準じ、専門的な教養を持つ者
を得ることにつとめる。
五、昇任について
昇任については、免許状の取得状況
及ぴ勤務実績を考慮し、別に定める基
準により選考する。
六、降任及び退職について
降任及び退職については、勤務実績
及び健康状況並びに生活事情等を考慮
して、別に定める基準に基き慎重に選
考する。
人事事務申合せ事項
一、人事事務の手続きについて
1 校長・教員及び事務職員の採用、
昇任、降任、休職、復職、退職並び
に分限、懲戒等の事案については、
年間を通じて、あらかじめ県教委と
協議して定める。
2 教職員の人事については、所管す
る学校の校長の意見を聞いて、県教
委のあっ旋助言により地教委が決定
する。
3 校長の人事については、県教委の
あっ旋助言により地教委が決定す
る。
4 前二項の場合において、県市町村
教育委員会連絡協議会は、必要な連
絡調整を行う。
5 教員養成学部卒業生の配置につい
ては、県内教職員組織を勘案し、県
教委があっ旋する。