教育年報1956年(S31)-014/73page

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 に推進された。
(5) 管内各学校差、地域差の是正、教職
 員組織の均衡充実を考慮された。
(6) 全体的にみて、問題がすくなく順調
 な異動がなされた。
二、新採用について
 今年度本県教職員採用志願者数は出願
者の中資格条件に適合した者は、大学新
卒業者のみで一、二八五名の多きに及
び、新卒業者以外の一般採用志願者を合
わせると一、七〇〇名に達した。
 新採用数は、志願者数に比して遺憾な
がら限定されざるを得なかったが、採用
にあたっては厳選主義をとり、適格者を
あっ旋するという方針のもとに身体的諸
条件の審査、第一次、第二次の個人面接
及ぴ筆答試問を実施し、県下各地教委に
あっ旗する資料といたした。 一
 この計画並びに実施については、相当
の努力が払われたが新採用方針の実現の
ために、非常に効果があったと思われる。
  昭和三十年度末小中学校人事異
  動件数調(昭三一、四、二現在〉
校長 職別種別/小中別
転補 新任 勤務替 退職
139 68 37 13 21 小学校
168 113 29 15 11 中学校
307 181 66 28 32

教諭 退職 89 89 178
福大 177 80 257
郡大 5 5
会大 2 2
その他の大 10 38 48
一般 14 31 45
転補 950 590 1540
1240 835 2075
養護教諭 退職 4 1 5
新任
転補 25 4 29
29 5 34
助教諭 退職 64 28 92
新任 39 3 42
転補 139 31 170
242 62 304
講師 退職 62 52 114
新任 13 11 24
転補 5 6 11
80 69 149
養護助教諭 退職 4 4
新任 1 1
転補 7 7
12 12
事務職員 退職 15 25 40
新任 8 16 24
転補 16 47 63
39 88 127
事務雇 退職
新任
転補 1 1
1 1

備考校長の退職らんには勤務替者数を計上しない。
 こうした多数の有為な新卒業者のうち
あっ旋採用されたものは三割の四OO名
足らずであったことは、誠に残念であ
る。未採用者の心情を思うとき、同情に
堪えないと同時に、種々考えさせられる
問題が残されている。新採用のあっ旋に
当って最も苦心したのは、女子新卒業者
のあっ旋である。県下各地教委一般の傾
向として採用に当って男子卒業者優先で,
あるように思われる。従って、女子新卒
業者にして、優秀な者が年間まで多数未
採用になっている現状であった。今回新
採用方針実現のために、県教委のとった
方法についての各方面の意見を総合する
と、人物、学業、健康等について、厳密
に選考して優秀な者からあっ旋したこと
は、非常によろしかった。と同時に県教
委は、あらゆる方面から手を打ってこれ
ら新卒業者の完全採用の方途を講じ、県
教育界に清新にして発溂たる空気を漂わ
し教育の効果と能率をあげることに一段
と努力すべきであるとの要望もあった。
三、校長の新採用について
 校長の新採用については、資格、人物
実務、健康、家庭環境等について、綿密
に選考し、有能者を抜てきするという方
針のもとに、またあっ旋ずるにあたって
は、その地域に居住し、校長職に専念で
きるものを第一義とし、なるべく他管内
にあっ旋し、もって県下全域にわたっ
て、教育の能率向上と刷新充実を図るよ
う努めた。
 選考にあたっては、校長新採用志願者
全員に対して各出張所管内毎に、同一問
題について、同日同時間に県下一斉に筆
答試問を実施し、またさらに各ブロック
毎に全員に対して、面接を実施して有能
者の選考抜てきの資料とした。筆答試問
及び面接の内容は校長としての適格性
と、学校経営の全分野に亘る根本的な、
基本的な問題に対する校長職としでの理
解と判断と能力とを評定するものであ
り、今後の校長志願者に対して大きなし
きを与えた。
 採用を願い出た三七三名、全員に対し
以上のような選考方法をとり、適格者を
地教委にあっ旋した。新校長として抜て
きされたもは六六名であり、それぞれ
各任地で信頼と期待もたれている。なお
二人の婦人校長を抜てきした事は本県教
育界に明朗な気分を与えた。
四、人事の交流について
 人事の交流については、
○教育の機会均等の理念に立脚して教職
 員組織の適正化を図る。
○県下全域にわたって教育の能率向上と
 刷新充実を図る。
○教職員組織における学校差並びに地域
 差をなくすることにつとめる。
等の基本方針のもとに、校長交流につい
ては、校長職の重要性を特に考慮し、全
県的立場から適材適所の配置を、教職員
については、都市と農村の交流、同一校
永年勤続者の三ケ年計画交流、他管内、


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