教育年報1956年(S31)-024/73page

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第六節高等学校入学者選抜をどう行ったか
 昭和三十一年度高等学校入学者選抜に
関しては、昭和三十年七月十八日「対策
委員会」を開催慎重審議した。その答申
に基き次のような選抜要項案が作成され
た。
1 選抜の基本方針は昭和三十年度に準
 ずる。
2 学力検査は三十年度において定時制
 夜間、短期産業教育課と同時に行った
 定時制昼間の学力検査は通常課程と同
 時に行う。          ,.
3 学力検査科目は従来どおり必修八教
 科および選択教科(職業・家庭、英語
 のいずれか一方)とする。
4 通常課程と他校の定時制課程(昼間)
 との併願はこれを認める。
5 問題作成については、従来どおり県
 教委事務局を主体として問題作成委員
 会を構成し、中学校教育の望ましい発
 展を阻害しないような問題作成につと
 める。
6 報告書の内容は前年度に準ずる。
7 身体検査については、従来どおり原
 則としては実施しないが、色神聴力に
 ついそは、工業課程の全学科農業土木
 科水産課程ならびに中学校卒業後一年
 以上を経過したものについては実施す
 ることができる。
8 面接は原則として実施しないが、定
 時制課程夜間を志望する者で中学校卒
 業後二年以上を経過したものについて
 は実施することができる。
9 出願期日は三年一日から十日までと
 し、定時制および短産は三月二十一日
 から三十一日までとする。
10 合格者発表は三月二十五日まで、定
 時制および短産は四月六日までとす
 る。
 以上のような昭和三十一年度高等学校
入学者選抜要項案は九月定例教育委員会
に議案として提出され正式決定をみ、九
月七日付教育長名通達をもって公表され
た。この県立高等学校入学者選抜要項に
よって私立高校四校を加えて総数七十五
校がいっせいに三月二十二日学力検査を
実施することになったのである。
 つぎに学力検査問題の作成に当っては
事務局を主体とした問題作成委員会が構
成され、問題作成の基本方針としてつぎ
の三項目が確認された。
1 問題は各教科の立場から作成するが
 中学校教育の方向に即するようにす
 る。
2 知識、理解などにかたよらず総合判
 定のできるようなものにする。
3 特殊な受検準備を必要としないよう
 なものにする。
 これら三項目にわたる基本方針の下に
問題作成委員会も回を重ねること二回、
延日数四日間、慎重な審議を経てようや
く必修八教科、選択二教科にわたる学力
検査問題二種ができ上ったわけである。
印刷の工程においても、きわめて周到な
注意の下に完壁を期する当事者の苦労は
例年のことながら容易なものではなかっ
た。
 さらにまた、県下いっせいに実施した
学力検査の結果を反省し、中学校におけ
る学習指導の参考に供するとともに次年
度の問題作成の資料をうるため、教育調
査研究所は通常課程の受検者について調
査を行ったが、その結果は学力検査実施
各教科ごと「資料」に詳細に発表されて
いるので省略する。
第七節県立学校訪問はどう実施されたか
 高等学校の協同評価は、五か年計画に
よって、昭和三十年度に一通り終了した
が、その結果、全体として教科指導と生
徒指導において、さらに改善すべき点が
多いことが反省された。よって本年度か
ら、県立学校の学校訪問を実施し、教科
指導と生徒指導の二つの面に重点をおい
て、具体的な研究協議を行うことになっ
た。
 実施の方法として、特に学校教育課か
らの訪問者のほかに、地区ごとに各教科
の担任教員が参加者として出席し、共同
研修を行うようにしたのである。次にそ
の計画の大要を示す。
一、目 的
 各学校の教科指導および管理運営の改
善向上をはかるとともに、各地区教員の
参加により共同研修を行い、県立学校教
育の向上をはかる。
二、訪問者
学校教育課各係
 参加者各校の主として新任教員で日
    程に示す教科関係の教員
三、実施事項
午前
 1 授業三時間(なるべく全職員が行
  うよう計画すること)
 2 ホームルーム五〇分(授業中適当
  な学年について行う)
午後
 1 教科毎の研究協議(六〇分)
 2 研究協議(六〇分)
 (1)学校の努力目標とその実施計画並
  びにその実績についての説明
 (2)教科指導及び生徒指導についての
  反省
 (3)生徒活動についての反省
 3 訪問者の助言及び指導(六〇分)
 (1)教育課程及び教科指導について
 (2)生徒指導について
 (3)学校管理運営について
 4 質疑および懇談 

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