教育年報1956年(S31)-026/73page
れ、今後の学校運営の改善のために有益
な資料となるであろう。
なお、本年度の実施状況から反省し
て、つぎの点に一そうの考慮を加えるよ
うにすべきであろう。
1 訪問の日程について
(1)訪問者は、事前に学校とよく連絡し
て具体的な訪問計画を立て、学校の実
情に即した助言指導のできるようくふ
うすること。
(2)各教科の研究協議題をあらかじめ用
意し、参加者の意見が効果的に反映で
きるようにすること。
(3)実施校では、学校の努力目標に対す
る具体策を十分検討し、これについて
訪問者と具体的な協議のできるよう計
画すること。
2 学校運営について、特に次の点に力
を入れるようにすべきである。
(1)教科指導
○改訂教育課程の具体的研究
○学力向上のための対策
○教材研究と教具資料の活用
○生徒の自主的学習の方法
(2)生徒指導
○ホームルームの計画と指導
○生徒会、クラブ活動の計画
○カウンセリングの計画と実施
○問題生徒の指導法
(3)管理について
○校舎の整備保全
○校地環境の整備緑化
○教職員の健康管理
○現職教育の効果的方法
○防火組織ならびに対策
第八節 生活指導徹底のための施策をどう講
じたか
重要な努力事項として各学校における
実践の目標につき項目を掲げて示した
が、教師自らの豊かな人格により、児童
生徒の倫理性を尊重し自主性を伸ばし環
境を整えて、家庭ならびに社会との密接
な連絡のもとにその徹底を期するように
した。
一、昭和三十一年度努力事項
(1) 小学校
「道徳教育、情操教育の充実」の項の
中で
○道徳教育についての正しい指導観を確
立する
○日常生活のあらゆる機会において道徳
的指導の徹底を期する二項目を示し
た。
(2) 中学校
「生活指導の強化」の項を掲げ
○道徳指導の強化
○ホームルーム、生徒活動の適切な指導
○個人指導の徹底
○校外指導体制
の充実の小項目を設け、青年前期にあ
たる生徒の特性をよく理解し、適切な指
導体制の確立と指導法の改善をはかり、
自律的な生活態度を育てるとともに、問
題行動の防止につとめるよう、具体的な
指導上の着眼点を示した。
(3) 高等学校
「生徒指導の強化」の項を掲げ
○道徳指導の強化
○生徒活動の適切な指導
○個人指導の徹底
○校外指導体制の充実
の小項目を掲げ、青年期にある生徒の
特性に応じた指導体制を確立し、中堅社
会人としての、自主的にして協力的な生
活態度を育成するとともに、問題行動の
防止につとめるよう強調し、具体的な指
導上の着眼点を示した。
二、生活指導関係通達
生活指導の徹底をはかり、効果的な実施
を期するため、各学校に対して適時指導
することが必要であるが、生活指導に関
する教育長通達は次のとおりてある。
○春の全国火災予防について(31、3、
7)
○昭和三十一年度春季交通安全運動の実
施について(31、4、11)
○夏期休中における児童生徒の指導なら
びに学校の管理について(31、7、4)
○旧盆等の地方行事における児童生徒の
事故防止について(31、8、15)
○未登録旅行あっせん業者との旅行契約
の禁止について(31、10、10)
○第六回全国踏切安全運動の実施につい
て(31、10、17)
○冬期休業中における児童生徒の指導及
び学校の管理について(31、12、20)
三、研究学校の指定
昭和三十一年度県教委指定研究学校中
生活指導関係の指定校は十一校である。
(第三節参照)それぞれその研究主題の
もとに研究をすすめ、その成果は、すで
に発表会を開き研究集録としてまとめて
すでに公表し、あるいは公表準備中であ
る。
四、生活指導関係の諸調査
◎児童生徒の生活指導に関する調査
右は文部省初等中等教育局調査連絡班
によるもので、道徳教育、純潔教育、長
欠対策、進学就職指導、休暇中の指導、
不良化防止、修学旅行関係、水難防止、
交通事故防止等の諸項目にわたり、本県
の状況について文部省あて回答した。
◎高等学校における昭和三十一年度生徒
指導ならびに生活指導に関する調査
県立学校につき、各学校における次の
各項に関する調査を行ない、全般的状況