教育年報1956年(S31)-039/73page
第五節 婦人教育はどんな目標を立てて努力して
きたか
婦人の生活環境からいって婦人自身の
内部に芽生えた要求にもとづいて活発に
活動しようとすればするほど、身近かな
ところで小人数が集って活動した方がず
っと効果的だという考えに支配されて、
たとえ名称は町村合併によっていかにも
大きな婦人団体に変化したような団体で
あっても団体の内部で小団で活動しよう
とする傾向をもっている。この傾向はぜ
ひ促進しなければならないし、指導者の
養成とまた従来の幹部から中堅の幹部へ
と移していく必要に迫られ、事業の対象
もできるだけそのために年令を下げてい
くことを申合せた。
(イ) 婦人団体内における小団活動の推進
(ロ) 婦人学級の内容と経営の合理化
婦人学級を大いに盛んにしていけば婦人
会には余り大きな顔で出席できない若い
主婦も出られる。そして若い主婦がのぞ
む勉強をぜひ取り上げていきたいし、ま
た婦人学級の経営をもっと公費でまかな
われるようにしていきたい。今までのよ
うに個人の趣味や団体の唯一の事業とし
て経営されていく程度ではとても婦人学
級の進展は見られなかろうという考えの
もとに、婦人に呼びかけるだけでなく公
民館を始めとする一般婦人教育の担当者
にも呼びかけてきた。
一、実際にどんな事業を実施してき
たか
1 北部地区婦人教育指導者会議
飯坂の婦人会館において九月十一〜十
三日約一六〇名が集って実施された。文
部省としては
人団体の教
人学級の進め方―特にそ
材について、および
の学習の発展
以上の三つをねらいとしていた。しかし
北海道および東北六県の婦人教育の現状
は果して文部省のねらいを素直に受入れ
られる段階にあったろうか。たった二泊
三日の会議に慾が深過ぎたきらいはなか
ったか。しかしどんな批判や反省があっ
たとしても本県としては他県の方々をお
迎えして新な情報を得、また新たな刺戟
を受けて今後の婦人の教育と勉強の上に
大いに役に立ったことを感謝している。
なおそれにつけても県婦連の御協力に対
し、ここでも感謝の意を表したい。
2 婦人指導者講習会
県南2、県北4(地元の計画)浜2、
会津2、以上の十ケ所で行われ、約八○
○名の婦人が直接の参加者であったが、
この外、学校の先生、公民館の職員、市
町村教育委員会事務局の職員が参加し
て、婦人学級の将来のすすめ方を研究し
あった。今まで活発でなかった白河市の
中にも、公民館・学校・婦人団体が協力
して婦人学級を新たに幾つも経営し始め
たし、県下いたるところに同じような蠢
動が見られる。
第六節 芸術文化活動をもっと広くするために
県内の芸術文化関係の振興発展のた
め、三十一年度に行われた事業は別表の
とおりであるが、各管内別にとらえてみ
ると左表のとおりである。
とりたてていえば、これらの事業は県
内のすぐれた芸術文化の創造への勧奨を
ねらいとすると共に、それにもまして、
より広く芸術文化の普及をねがいとして
いるわけである。
特に、昨年度から重視してきたこと
は、青年、婦人のグループ活動から発展
しつつあるこの分野の育成助長を、いか
にしてとりあげるかということであっ
た。
このために、あるいは、余りにも安易
な方法でしかないのだが、県文学賞の募
集の一部門としての青少年の部を設けた
り、合唱コンクール、演劇コンクール等
にも青年の部を設けて行なってきた。
不幸、これらが、本年度においては未
だ成功をみていないが、それにしても、
文学にしろ、合唱にしろ、演劇にしろ、
巾広い青年の芸術文化活動へのきざしが
みえてきているのである。
例えば、別表の参加数には現われてい
ないが、石川・耶麻・石城・相馬それに
信夫・安達などの農村青年の演劇活動、
河沼・田村・安達・相馬の合唱活動は、
昭和31年度芸術文化関係参加数
管内/摘要 美術 音楽 文学 演劇 信夫 85 10 17 5 伊達 14 ― 13 ― 安達 23 3 2 1 安積 13 7 8 5 岩瀬 H 2 10 2 南会津 ― 1 5 ― 北会津 75 5 11 6 耶麻 9 1 5 ― 両沼 8 4 11 1 西白河 12 1 9 2 東白川 ― ― 2 2 石川 ― 1 1 2 田村 2 2 5 ― 石城 56 9 13 18 双葉 7 ― 7 1 相馬 11 71 9 21 計 326 531 128 47 備考 外に東京より6また外に招待出品あり