教育年報1956年(S31)-043/73page
2 指導者養成講習会の開催
〇二月十五日から二十六日の期間に次の
六カ所に開催
平市、原町市、会津高田町、白河市、
日和田町、桑折町
○参加者 公民館運営審議会委員の代表
婦人会員農業改良普及推進員
(生活改善担当者)
食生活改善指導補助員保健委
員
その他一般
3 新生活運動実績展示ならびに発表大
会
○地区大会 昭和三十一年十二月〜翌年
一月末日まで県内二十五カ
所に開催
○県大会 二月十、十一日福島市に開
催
×新生活運動実績展示なら
びに発表大会
×新生活運動研究協議会
五、二の運動のために
わたくしたちの「くらし」を、少しで
も明るく少しでも楽しいものにしたいと
願っていることは、どの人もどの人も同
じことだと思う。しかし、どんな小さな
「ことがら」も、またどんな小さな「し
きたり」も、ただ急に偶然に生れてきた
ものではなく、むしろ長い間くりかえさ
れてきただけに、それはそれなりに「合
理性」と「必然性」をもっていたものと
思われる。
ところが、時代の推移と社会の進歩に
したがって、昨日まで差支えなかったも
のが、今日からはどうしても改めていか
なければならない多くの「ことがら」や
「しきたり」がある。たとい一人や二人
の勇敢な掛け声だけでは全くどうにもな
らない「抜きさしならぬ」ものだと思わ
れることでも、三人寄り四人寄りして話
合いを進めていく中から少しずつ改めて
いかれるという確信を燃やして、この運
動を展開していきたい。そのためには大
きなことを願わず、足もとの少さなこと
から解決していくのがよいのではないだ
ろうか。
そういう足もとの身近かな問題をみつ
け出し、話し合い、解決をはかっていく
ことがこの運動の大きなねらいのわけで
ある。
そのために先にあげた構成団体がそれ
ぞれの分野で働きかけ、解決への糸口を
みつけ出していくことが必要のように思
われる。
第一〇節 ま と め
青少年指導といえば、一般世人はまず
何といっても頭に浮ぶのは「青年団」そ
れから「青年学級」である。そして都市
ならばこれに「技能者養成講習」という
のがプラスされる。だから、青年団の運
営をどうするかとか、青年団のリーダー
養成講習を計画するとか、そういったこ
とはどこの市町村でも企てられてきた。
だが、三十一年度までに気づいたこと
は、青年団に青年のすべてが入っている
わけではないという極めて当りまえのこ
とである。ことに、今までの一万くらい
の人口をもっている町からそれ以上の大
きな市などで、青年団活動が不活発で非
常に困るという声を聞いてはいたが、今
度の町村合併で従来の農村もずっと都市
に接近して、少くとも今までのようには
安易に青年団を運営していけるとは限ら
なくなった。農村も都市と同じようにや
っぱり趣味別要求別の青年のグループが
大きく成長し始めたので、こういう小さ
なグループの芽生えを今までの青年団と
どう結びつけていったらよいかといろ新
しい研究が必要になってきた。とても今
までの既成の能力と知識で「青年団の運
営は」とか「青年団という組織の目から
落ちこぼれている青年を」等々の演説を
ぶっても、それは青年の嘲笑を買うだけ
で大した利益を生まないということに気
づいた。そこでドロナワ式ではあるが、
青年たちの共同学習の外に、音楽や演劇
や文学その他の趣味的なグループをもっ
と大切に育てようではないかという声が
聞かれ始めた。一日じゅう働きまわっ
て、その上収入を増やすためのあらゆる
努力を払った。ただそれだけで大事な青
春時代が磨り減らされていっていいもの
だろうか。もっと生活を豊かにするため
には、生産への学習とともにその生産を
より意慾的たらしめる何ものかがなけれ
ばなるまい。青少年指導は、だから小さ
なグループの活動を守り育てていくとい
う方向に向き、それだけ従来よりは困難
になってきたともいえる。ある老人は、
町村合併とともに青年団も統合しろとい
う。もちろん青年たちは新しい町村をつ
くりだすために大同団結することを拒み
はすまい。しかし「うどの大木」のよう
になって活動するよりは、不断は何とい
っても小さなグループで活動した方がず
っと効果的だということを知っている。
だから、大きくまとまるという一つの方
向と、小さなグループで活発に活動する
ということは、決して矛盾するどころか
却ってこれからの団体活動の正しい在り
方ではないかという反省をしている。つ
まり細胞活動を活発にしようではないか
ということである。手足の活動が鈍くて
は体全体が活発に活動できるとは思われ
ない。大きい体であればあるほど小部分
の活動が活発敏速にならなければならな
い。大同団結の前に、小さなグループの
活動が活発になることはきわめて自然の
なりゆきではあるまいか。
婦人指導ということを取り上げても、
従来はすぐに「婦人会」それから最近な
らば流行の「婦人学級」あえて流行とい
ったが、それには「わけ」がある。婦人
の勉強の仕組はどこでどんなことをしよ
うがすべて婦人学級だからである。