教育年報1956年(S31)-049/73page
では各校研究テーマを記載した。
○双葉郡広野町立広野小学校
1 保健指導はいかにあるべきか
2 教科外活動の促進について
3 発達段階に応ずる系統的教材配当
はいかにあるべきか
○東白川郡塙町立常豊小学校
1 保健体育環境の整備
a 校庭・校舎内の設備
b 体育設備の充実
○須賀川市立第一小学校
1 能率的指導はいかにあるべきか
2 効果的な健康指導と管理について
○会津若松市立日新小学校
1 基礎調査に基く学習指導について
2 学校給食の指導について
○会津若松市立大戸小学校
1 環境の整備と充実について
2 学校保健組織の充実と活動
○磐城市立小名浜第一中学校
1 健康教育について
2 校内体育行事のあり方について
○安積郡安積町立安積第一中学校
1 集団行動の指導について
2 特別教育活動の運動について
○原町市立原町中学校
1 運動技能の段階的指導について
2 施設用具の活用
○信夫郡松川町立金谷川中学校
1 学校保健委員会の運営について
2 巧技の段階的指導について
○県立福島女子高等学校
改訂学習指導要領に基く体育の学習指
導の方法について
○県立湯本高等学校
改訂学習指導要領に基く保健の学習指
導の方法について
第三節 学校給食を推進する上にどのような問題
点があるか
昭和二十九年六月に制定をみた学校給
食法も、昭和三十一年三月にその一部改
正により、その内容も拡大充実されてき
た。すなわち、その改正の要点を挙げる
と次のとおりである。
1 この法律の適用範囲が、中学校の生
徒に拡大されたこと。
2 法弟七条第二項に新らたに、いわゆ
る準要保護児童の学校給食費に対する
国の補助が規定されたこと。
以上の二点であるが、特に、この他に夜
間高等学校の給食についても、法律の制
定をみたことは、注目すべきである。
このように学校給食も漸次国家的施策
として、益々その重要度を増し、また全
国的にもその普及率が高まりつつある今
日、本県におけるこの一年間の実施状況
からみた問題点につき、検討してみた
い。
一、普及状況はとのようになってい
るか
本年度までに、学校給食の実施届出さ
れた学校数は、小・中学校併せて二一七
校であるが、給食人員別にみると小学校
児童数約一三六、八〇〇名で県在籍児童
数の四五%、中学校生徒数約八、六〇〇
名で県在籍生徒の六%といったような普
及率を示している。また、小学校の給食
について、その給食の種類別からみた内
訳は、完全給食の児童数約六三、九〇〇
名で全給食児童数の四七%、ミルク給食
の児童数約四七、六〇〇名で三五%、そ
の他の給食の児童数二五、二〇〇名で一
八%の実施率となっている。しかしこの
普及実施状況も、特に、完全給食は主と
して都市を中心として、実施されている
ものであり、今後いかにして、郡部方面
に学校給食を普及してゆくか、また、い
かにして、ミルク及びその他の給食を、
完全給食に移行せしめるかという問題点
が、残されている。
二、完全給食の内容は充実されてい
るか
現在実施されている完全給食について
は、実施基準等により、一応その給食す
べき内容が規定されている。すなわち、
児童または生徒に、毎回一人当り必ず
「パンとミルクとおかず」を給与するこ
とにより、規定された基準栄養量を摂取
せしめなければならないことになってい
る。しかし、現場の実施校においては、
施設設備及び給食費等の関係上、まだそ
の実施内容が不十分であると思われる学
校も多少ある。特に、郡部における完全
給食校にこの傾向が、多く見受けられる
ので、今後早急に、これらの学校は、そ
の運営の合理化により、一食一回の給食
内容を充実してゆくことは、児童生徒の
健康管理のうえからも大切なことであ
る。
三、脱脂ミルクが最高度に活用され
ているか
学校給食において、脱脂ミルクの占め
る価値は、非常に大きく、現在の学校給
食の大切な物資の一となっている。特に
児童生徒の成長発育に必要なカルシウ
ム、ビタミンB2の補給に、重要な役割を
果している。しかるに全国的にみても、
また本県の場合も、まだこのような安価
で栄養価に富んだ優良な脱脂ミルクが、
十分に活用されていない状況であるの
で、この点についても今後検討を加える
必要がある。
四、パンの品質は向上されているか
この問題については文部省の通ちょう
に基き、できるだけ品質の検査を実施
し、また業者の協力を求めて、その品質
の向上をはかってきた。特に本年十一月
からは、その原料小麦粉の配合率につい
ても、従来強力粉四〇%、普通粉六〇%