教育年報1956年(S31)-058/73page
4 青少年巡回文庫の実施
(1) 趣旨
青少年の健全な発達をはかるため主
しとて読書にめぐまれない地域を対象
として、青少年巡回文庫を開設し、読
書グループの育成と青少年団体活動の
促進に資する。
(2) 実施方針
イ 県立図書館においては、県教育委員
会事務局を通じ、県教育委員会事務局
出張所に連絡の上巡回文庫を出張所に
送付する。
ロ 巡回文庫は、一箱二〇冊以上三〇冊
以内とし、差当り三箱乃至四箱を一出
張所管内の市町村人口数に応じて適宜
送付する。
ハ 県教育委員会事務局出張所において
は、市町村教育委員会連絡協議会並び
に公民館連絡協議会、郡市連合青年会
と協議の上管内の利用者を決定し、地
方教育委員会、公民館を通じて青年団
体等にこれが巡回文庫の貸出しをす
る。
ニ 巡回文庫の管内利用者に対する貸出
期間は、一ヵ所二カ月以内とする。な
お巡回文庫の送料は利用者負担とす
る。
但し県立図書館より出張所への送料
は県立図書館の負担とする。
ホ 巡回文庫の毀損、紛失等の場合はそ
の文庫の代償を利用者においてその責
を負うものとし、巡回文庫貸出を受け
る利用代表責任者は地方教育委員会又
は公民館とする。
へ 利用者においては、別紙利用状況報
告を県教育委員会事務局出張所を経由
し県立図書館に提出する。
(3) 実施要項
イ 福島県立図書館図書選定委員会にお
いて、次のような方針の下に青少年向
図書の選定をなし県立図書館において
予算の範囲内においてこれが図書を購
入の上巡回文庫を編成する。
a 内容は正確で信頼できること。
b 時代の進歩に応じていること。
c 青少年の心身の発達に適応してい
ること。
d 教養の向上に役立つこと。
e 生活経験を豊かにし職業能力の伸
長に役立つこと。
f 明確平易でみ力あり親しまれやす
いこと。
ロ 青少年巡回文庫の蔵書構成について
は、その地域の実態に応じ、教育的な
視野にたって青少年が真に必要とする
ものであるよう研究努力してゆきた
い。たとえば生活改善、産業振興等地
域の課題を解決するとか、一般的に教
養の向上をはかるとか、読書指導の目
標を明確にしてこれに即した編成をす
るとか。なお常に新刊の図書を加えそ
の更新をはかってゆきたい。
ハ 青少年巡回文庫の運営にあたっては
必要に応じて指導助言を与え、調査、
記録、評価を行う等計画的、継続的に
実施している。
県立図書館利用状況(昭和31年1月〜12月)
職業別閲覧者数
|
館内 |
館外 |
計 |
比率 |
|
|
|
人 |
% |
中学生 |
6525 |
― |
6525 |
9.83 |
高校以上 |
31768 |
3261 |
35029 |
52.78 |
教育家 |
266 |
281 |
547 |
0.82 |
官公吏 |
1522 |
4121 |
5643 |
8.5 |
銀行・会社 |
994 |
1910 |
2904 |
4.38 |
農業 |
351 |
134 |
485 |
0.73 |
商業 |
356 |
562 |
918 |
1.38 |
工業 |
286 |
387 |
673 |
1.01 |
其他 |
244 |
165 |
409 |
0.62 |
無職・主婦 |
6687 |
980 |
7667 |
11.56 |
児童 |
5572 |
― |
5572 |
8.39 |
計 |
54571 |
11801 |
66372 |
100 |
閲覧図書冊数
|
館内 |
館外 |
計 |
比率 |
|
|
|
率 |
% |
総記 |
2266 |
100 |
2366 |
2.54 |
哲学 |
2202 |
686 |
2888 |
3.07 |
歴史 |
4555 |
598 |
5153 |
5.47 |
社会科学 |
7875 |
2100 |
9975 |
10.59 |
自然科学 |
6777 |
571 |
7348 |
780 |
工学工業 |
1852 |
264 |
2116 |
2.24 |
産業 |
1312 |
272 |
1584 |
1.68 |
芸術 |
2922 |
548 |
3470 |
3.68 |
語学 |
3532 |
208 |
3740 |
3.97 |
文学 |
13930 |
5980 |
19910 |
21.14 |
雑誌 |
5014 |
474 |
5488 |
5.83 |
児童 |
30121 |
― |
30121 |
31.99 |
計 |
82358 |
11801 |
94159 |
100 |
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