教育年報1957年(S32)-020/71page

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 いきたい。

  なお、各教科の配当時数や、各学年

 の総時数も、各学校の一年間の実施状

 況を検討し、年度末までには三十三年

 度の試案を示すことが必要であろう。

4 完全授業について

  これは、各学校の先生方のご努力に

 よって、いちおう満足できる実績をあ

 げえたものと恩われる。このことは、

 児童生徒の学力の向上に大きく影響し

 ているものと考えられる。先生方に対

 し、深く感謝したい。

  ただ、〈資料五〉にあらわれている

 ように、授業日の行事に比べ、休業日

 の行事が非常に多く、先生がたの負担

 過重が想像される。また、研究会・講

 習会の研修行事よりは、それ以外の一

 般行事がいちじるしく多い(「管内」

 の「授業日」の場合)ことも問題であ

 ろう。これらのことをじゅうぶん検討

 し、完全授業と現職教育とが無理なく

 両立しうるよう処置することが、今後

 の課題である。

 教育課程の実施状況について

 昭和三十二年度から教育課程を承認制

として各学校の教育課程の承認をするよ

うにした、その結果本県高等学校の実施

状況はつぎのとおりである。

一、女子高等学校(一〇校)

  このうちAコースをおいている学校

八校、Bコース七校、Cコース九校、

Dコース二校である。女子高校でCコ

ース九校おいていることは女子高校教

育本来の使命より見て適切と思われる

がBコースをおいていない学校が三校

あることは進学率のあまり高くない本

県では女子教育の望ましい実情を考慮

すると問題がある。

二、男子高校(八校)

  ここではCコース四校、Dコース五

校一、Eコース六校でEコース(理科

系)を設けている学校が比較的多い。

ここでおかれているコース数も三コー

ス以下でこのぐらいであれば適切であ

るとおもわれる。

三、共学学校(二四校)

  ここでの実施状況はつぎのとおりで

ある。

  Aコース八校、Bコース十七校、C

コースニ二校、Dコース六校、Eコー

ス四校である。B・Cコースがもっと

も多くおかれているのは適切である。

この種の学校で設けているコース数は

一コース五校、ニコース一〇校、三コ

ース五校、四コース三校、五コース一

校で、一校でコースを五つもおいてあ

るのは研究を要すると思われる。

四、その他の学校

  実業に関する課程をもつ学校の教育

課程はきわめて複雑で類型化をはかる

ということは困難のようである。

 ここでは普通一般教養の教科科目の

履修がじゅうぶん取っているとは思わ

れないので、この点については同種の

学校が相寄って理想的な履修計画を立

てることが今後の課題であろう。

五、なお今年より単位計画表の形式を一

部改正して、一目でその学校の履修状

況がわかりかつ、年度ごとに比較がで

きるようにしたが全般的にみて計画を

立てて承認をうけたものと実施したも

のとし、多少の差異があるものがあ

る。理由は種々あろうがつとめて計画と

実施を一致さすべきものであると思料さ

れる。

第四節教科書の管理運営をどのように講じたか

一、教科書センター臨時分館の設置

について

1 設置の趣旨

 教科書見本の展示の機会を多くして教

職員等の教科書の研究をいっそう容易に

するとともに、教科書の採択の公正を確

保するため、教科書センターの運営の現

状等にかんがみ、当分の間の措置とし

て、各教科書センターに設けられたので

ある。

2 設置の経過

(1) 女初教第一一一号(三二・四・五)

 文部省初等中等教育局長通達により、

 当分の間の措置として、各教科書セソ

 ターに学校の種別ごとそれぞれ2〜3

 程度設けられることになった。この臨

 時分館の設置は昭和三十二年六月十一

 日から七月二十日まで開設された。県

 内臨時分館は、小学校三十八(中学校

 三十五、高等学校二十三計九十六校に

 もうけられた。

(2) 臨時分館には運営費等の支出はなか

ったが、設置期間終了後、教科書見本

本は設置校の利用に供した。

二、教科書研究事業

1 研究の目的

 教科書が教科の主たる教材として、有

効適切に使用されるため、特にその実際

使用の立場から問題となる事項につい

て、小・中学校用教科書の内容を分析・

研究することによって教科書センターを

利用する教科書および教科書の共同研究

の活発化を促進し、採択関係者の教科書

に対する批評眼を養うとともに、教科書

の質的水準の向上に寄与することを目的

としたものである。

2 研究の対象

 各都道府県教育委員会の希望にもとづ

いて定められるものであるが、本年度は

つぎのようにお願いした。

小学校 算数 会津若松教科書センター

小学校 国語 三春教科書センター

中学校 理科 福島教科書センター


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