教育年報1957年(S32)-022/71page
3 研究の角度
各教科書における取扱の状況を学校に
おける実際指導の立場から、比較検討し
各種教科書の各分野にわたって研究する
ものであって、その優劣を総合的に判定
するようなことを目的とするものではな
い。
4 研究の進め方
研究参加者は、当該教科書センターを
中心とする出張所の指導にもとづき、管
内小・中学校教員ができるだけ多く参加
するよう配慮した。
この研究は常に研究参加者による綿密
な共同研究および討議が行われ、適宜種
々の研究討議のための会合をもつように
し、それらが有機的に組立てられて、研
究がまとめられるようにしたい。
5 研究実施の時期
各出張所の指導により、当該教科書セ
ンターごとに定めたが、昭和三十三年度
使用教科書の採択が終ってからはじめ三
十三年三月末日までに終了することにし
た。
6 研究結果の処理
研究結果は各教科それぞれ、四百字詰
め原稿用紙百枚から二百枚程度の分量の
報告書にまとめ、県教委に三十部提出
し、そのうちより文部省へ各三部、各教
科書センターに各一部づつ配布するよう
措置した。
三、昭和三十三年度使用教科書の採
択について
1 教科書展示会
展示会は七月六日より十日までの五日
間、県下十五か所において開催された、
今年度は臨時分館も開設されてあるの
で、教科書の採択研究には貢けんするこ
とが多かった。
展示場は、原則として教科書センター
をあてることにしているが、研究のため
の参会者・会場の都合でセンター所在地
の適当な場所を、会場にあてた。
2 採択の方針
小・中学校用教科書の採択については
「教科書採択に関する協議会」 (県教委
側委員六名、市町村教委側六名)を設
け、採択方針を決定した。
採択方針は報告、通知日の変更のほか
ほぼ昨年と同様である。
○教科書展示運営費について
文初教第四五一(三二・九・一三)に
よって昭和三十二年度教科書展示場運営
費国庫補助が内定され、追加予算として
二十万七千円の経費が経上された。各教
科書研究にはそれぞれ研究費として一万
八千円の配分を行うとともに、教科書セ
ンターにも管理費として配分するよう措
置した。
第五節高等学校入学者選抜をどう行ったか
昭和三十二年度高等学校入学者選抜に
関しては、昭和三十一年七月十二日「対
策委員会」を開催、慎重審議した。その
答申にもとづき選抜要項案が作られた
が、前年度と比較しての改正点はつぎの
とおりである。
1 同一学校においては第三志望まで出
願を認める。
2 指導要録の改訂にもとづき、報告書
にふくまれる字句を左のとおり改め
た。
学習成績の発達記録-学習の記録
個人的社会的公民的発達記録-行動の
記録
職業的発達記録-進路に関する記録
身体の発達記録-身体の記録
知能検査-標準検査の記録
3 指導要録改訂にもとづき報告書の様
式を改めた。
以上のような要項案は八月定例教育委
員会に議案として提出され正式決定を
み、九月十九日付教育長通達をもって公
表された。この県立高等学校入学者選抜
要項によって県立高等学校六十一校が学
力検査を実施することになったのであ
る。
つぎに学力検査問題の作成に当っては
事務局を主体とした問題作成委員会が構
成され、二回延日数四日間、慎重な審議
を終って必修八教科、選択二教科にわた
る学力検査問題二種(三月二十二日実施
分と四月四日実施分)を作成した。印刷
の工程においても、きわめて周到な注意
のもとに実施され当事者の苦労は例年の
ことながら容易なものでなかった。さら
に学力検査の結果を反省し、中学校にお
ける学習指導の参考とするとともに次年
度問題作成の資料をうるための調査は学
校教育課において行った。
第六節県立学校訪問をどう実施したか
昨年度にひきつづき、つぎの要項にも
とづいて県立学校の訪問を実施し、その
所見を県立学校長代理研修会において示
し、各学校経営の参考とするよう要請し
た。
一、目 的
各学校の教科指導および管理運営の改
善向上をはかるとともに、各地区教員の
参加により共同研修を行い、県立学校教
育の向上をはかる。
二、訪問者
事務局学校教育課・保健体育課・指樽
主事および管理主事・英語科指道者