教育年報1957年(S32)-030/71page

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第一一節 へき地教育をどのように進めたか

 文部省では小さい学校の学力向上の具

体策の一つとして複式学級の指導法講習

会を開き、算数と国語の同題材と国語の

同題材指導法による試案を作成した。そ

れについての実践発表を山口県で十六個

所の会場を設けて行った。

 本県では山村教育研究会の各支部にそ

の研究をすすめ全体的会場として

  岩瀬郡湯本小学校辰見沢分校

        (十月二十九日)

  耶麻郡奥川小学校弥平四郎分校

で実施した。この同題材指導をどのよう

に実施するかについてはまだ趣旨が徹底

していないようである。これは今後じゅ

うぶん研究し、それらの研究と指導が今

後の問題である。

 県下の山村教育研究会は各支部で実施

したようであるが、伊達・安達・相馬郡

の実施状況は良好であった。

 伊達郡霊山町石田小学校の小さい学校

経営は教室環境をよく整備されてるよい

学校である。相馬郡の大倉小・中学校で

の研究会で十年ほど、山村へき地に家族

ぐるみで教育している三浦ミサオ教諭の

精進は実に涙ぐましいものがあった。

 県下全体の山村教育研究は南会津郡楢原小学校

で行われた本県のへき地教育に

てい身する百四十名余の教員の参集によ

って二日間へき地の問題について討議さ

れた。文部省からは小川武正先生が講師

先生として御出になられて山村に勤務す

る教師のあり方についてのご講演があっ

た。

 本県のへき地には行財政上の問題が第

一に解決すべき多くの問題点であるよう

にみられ、そのつぎが指導上の問題であ

ろう。

第一二節特殊教育をどのように進めたか

一 精神薄弱児教育

 昭和三十二年四月一日付で、つぎの八

学級が新設され、既設のものと合わせて

二十四学級になった。

1 郡山市立芳山小学校

  愛護学級(担任 鈴木カヤ)

2 同 右

  愛護学級(担任 河野功)

3 須賀川市立第一小学校

  愛護学級(担任 矢吹哲男)

4 須賀川市立第二小学校

  愛護学級(担任 椎名カツイ)

5 相馬市立中村第一小学校

  愛護学級(担任 青田秀穂)

6 右 同

  愛護学級(担任 佐藤亘)

7 福島市立福島第四中学校

  愛護学級(担任 菅野キミヨ)

8 須賀川市立第二中学校

  愛護学級(担任 富塚隆人)

右のようにいっきょに八学級の増設をみ

たことは、精神教育に対する県内の認識

がしだいに高まってきていることの証拠

であると思われる。

 精薄教育についての、全県的な研究会

は二回もたれた。その大要をつぎにあげ

る。

1 精神薄弱児教育研究集会

 時三十二年九月十四日

 所  福島市立福島第四小・中学校

 主催福島県精神衛生研究会

 主題

  (1) 精神薄弱児教育における教育課

   程について

  (2) 精神薄弱児教育における指導記

   録について

 参会者 精薄学級担任者の参集を求め

  たが、ほとんど全員参集した。

2 特殊教育研究会

 時三十三年一月二十六日

 所  郡山市立芳山小学校

 主催 県教委事務局

 主題

  (1) (2)……「1」の継続

  (3)  「福島県手をつなぐ親の会」の

   結成

 精薄学級の設備費補助金が、昭和三十

二年度からはじめて交付されることにな

った。本県への割当ては三十二年度新設

学級四、既設学級一、でつぎのとおりで

ある。

 新 設

1 福島市立福島第四中学校(四一、○

 ○○円)

2 郡山市立芳山小学校(四一、○○○

 円)

3 須賀川市立第二中学校(四一、○○

 ○円)

4 相馬市立中村第一小学校(四一、○

 ○○円)

 既 設

1 磐城市立小名浜第一小学校(四〇、

 ○○○円)

二 肢体不自由児教育

 肢体不自由児学級は、平市立第四小学

校(三学級)と平市立第一中学校(一学

級)に設置されている。これは

福島整肢療護園の施設になっている。

 県内に、もっと、この種の学級が増設

 されることが望ましい。

三 身体虚弱児学級

 身体虚弱児学級は、坂下町立坂下小学校

(一学級)と喜多方市立喜多方第一小学校

(二学級)とにおかれている。現

在、この種特殊児童は以外に多く、

三十三年度には、大熊町、郡山市、須賀川市

などに特殊学級が設置されるきざしがう

かがわれる。

四 盲ろう教育

 昭和三十一年の十一月に火災にあった

福島盲ろう学校は、福島市森合の仮校舎


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