教育年報1957年(S32)-037/71page
的に展開しつつあることは喜びにたえな
い。公民館活動の源泉は、これらの運営
審議会委員の社会教育に対する熱意にあ
るということが相当に理解されてきたこ
とは、今後の公民館活動の前途を明るく
した感があり、すこぶる意を強うしうる
ものである。
その証拠として、最近運営審議会委員
の研修会が県内各地において催されてい
ることでもうかがうことができる。法的
に定められた運営審議会委員の任務につ
いて、その意識が高まりつつあるという
べきであろう。
整備されつつある施設・設備
施設についてみると、昭和三十一年度
は、本館が二四六、分館が六五五、合計
九〇一館であったが、昭和三十二年度は
本館が二〇八、分館が五九二館、合計八
○○館に減少した。
減少したということは、それが直ちに
公民館活動がマイナスになったと見るべ
きではなく、従来の看板公民館や間借公
民館が、町村合併の進展にともない整備
され、その内容が充実しつつあるとみる
べきであろう。
その具体的なものとして、昭和三十二
年度は、独立の公民館が、本館・分館等
十館が新築されている。
その他支所の転用もあるようである。
さらに、職員については、昭和三十一年
度は、一五五〇人であったが昭和三十二
年度は、一六二七人となり、七七人の増
となっている。
これを専任職員のみについてみると、
昭和三十一年度は、三三八人であった
が、昭和三十二年度は、三七八人とな
り、四十人の増となっている。
この事実から考えてみても、公民館
は、着着と動き出したわけである。
公民館における財政の確立
公民館が教育施設である以上、その自
主的な運営や活動をおしすすめるために
も、独立した予算をもつことが必要であ
り、当然である。
この点については、一般的に、遺感な
がら、各市町村の財政不如意を理由に、
民主的な新市町村建設に深い理解と熱意
を示さないところもあるようであるが、
公民館本来の使命を果す上からも、社会
教育の振興をはかる上からも住民の幸福
を先づ為政者は考慮してほしいものであ
る。
公民館職員講習会は、昭和三十一年度
は、県内四か所に分れて施したが、昭和
三十二年度は、県内一か所に集り、公民
館の基本的性格と役割について、さらに
情報交換等によって、効果的であった。
参加者は一慮満足したようであり、意義
があったと考えている。
(公 民 館)
昭和三十二年度 重点を置く事業計画とその実施状況計画の概要
計 画 概 要 実 施 状 混 社会教育
指導者の養成〇有給職員の養成
公民館職員講習会6月25日〜28日
3泊4日
婦人会館対象、年令二十才〜三十五才未満
のもの各市町村一名内容、公民館の基本的な性格と役割
の理解と社会教育計画を実施しうる
能力の養成
第三節青少年指導はどんなめあてでどんなこと
をやってきたか
青少年の自主的な学習活動をとおし
て、次代の社会形成者として心身ともに
健全た青少年の育成をはかろうと、今年
度は特に
○青少年の自主的な学習集団を育ててい
く
○青少年の音楽・演劇・文化等の文化活
動を活発にしていく
○青年学級の学習活動に新しい工夫を加
えていく
○他の青少年指導機関との協力体制をと
とのえていくといったところに重点を
おき、つぎのような事業を実施してき
た。
青年学級研究集会
「勤務と生活と学習」を一体とした効
果的な学習のすすめ方の研究にねらいを
おき、青年学級主事・講師・講師補佐を
対象に、県内四か所(県北・
岩代町小浜公民館5月27・28・29日、
県南日和田町公民館5月14・15・16日、
会津積慶寮5月8・9・10日、浜、久之浜5月21・22
・23日)二泊三日で実施、内容は講義
(「学習の形態」二時間)のほかは、現
場の生の問題をだし合っての共同研究と
教育キャンプ・サイクリング等の野外活
動の実技の研究を主にすすめた。
青少年指導者講習会
これまでの青少年団体ならびに青年学
級のあり方を再検討し、新しい集団活動
の方向を究明すると共に、共同生活をと
おして集団指導の理論と方法技術の習得
をねらいとして、二十五才以下の青少年
を対象に地方講習を県下四か所(
県北土湯7月27・28・29日、県南玉川7月16・
17・18日、会津押立7月22・23・24日、
浜、鹿島、8月2・3・4日)二泊三日