教育年報1957年(S32)-039/71page

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社会教育
指導者の
養成
○青年問題研究集会 婦人会館
33年1月9〜11日 2泊3日

福島農蚕高校
33年2月16日17日 2泊3日

対象 
青年
内容 
青年問題についての話し合い
○第十一回福島県青年産業研究発表大会
対象 
青年
内容 
産業研究発表


第四節 婦人教育をどうすすめたか

 婦人学習が今までの大集団主義の集り

から、一人一人の婦人の生活や、考え方

を向上させていくという、個人の成長に

重きをおいた、小集団活動に移行しつつ

あることは事実であるが、またその反面

に、大集団の長を特権階級的に取りあつ

かい、小集団活動は、団体をこわすもの

であるかのごとく解釈している前近代的

な人もいないわけではない。

 官制の団体にしようとする一部勢力、

政治的手腕と権力にものをいわせて、多

数会員のうえに腰をすえようとする人等

等、この中にあって、本県の婦人教育は

どういう角度からおしすすめていくべき

か。問題は沢山あったが、ともかく

1)婦人のの小団学習活動をすすめてい

 く

2) 婦人学級を充実していく

この二つの目標をもって、従来の固定さ

れた幹部から新しいリーダーの養成のた

めに、若い層にねらいをおいた指導者講

習会や、お母さんたちの勉強機関である

婦人学級をもつと「公」のものにしてい

くための努力などがはらわれてきた。

 目標にむかって努力した

(1) 小集団活動のための新しいリーダー

 の養成

 県内を七か所に分けて実施した。参加

者数は約五〇〇をかぞえ、いずれの会場

も、ほとんど新顔であり、しかも熱心に

自分たちのグループをのばしていこうと

する意欲にもえていた。特に本年度は、

県婦人団体連合会自体が単位団の民主的

な育成のために、会長研修会を計画した

ので、会長以外の所にねらいをおいたこ

とは参加者とも非常によろこばれた。

(2) 婦人学級研究集会

 婦人学級はここ数年来、各地で開催さ

れてきているが、その量的なひろがりに

対して、質的な学習の深みまでは考慮さ

れていない現状であった。ましてや地域

の人々の理解のもとに「公」の機関とし

て親しまれていたので、県下を四か所に

わけ、文部省委嘱の婦人学級および社会

学級の協力を得て学校の先生、公民館の

主事、地教委の社会教育担当者およびそ

の他の婦人学級を世話する人々ととも

に、婦人学級の基本的な考え方およびそ

の進展策について研究をすすめた。

(3) 文部省・委嘱婦人学級、社会学級のあ

 ゆみ

 文部省が特別に助成している学級が六

つある。

 福島市清水地区社会学級

 双葉郡浪江町苅野婦人学級

 石川郡石川町石川婦人学級

 耶麻郡塩川町姥堂婦人学級

 信夫郡吾妻村野田若妻学級

 西白河郡大信村信夫婦人学級

それぞれの学級は特徴をもち、その地域

の問題にとりくんでいる。ある学級は若

妻のグループをうみだしているし、また

お母さんたちの勉強グループを二八もも

って常時の学習活動がすすめられ、その

力が「青年と婦人の家」をつくったりし

ている。そのほか、先生方が陰になり日

向になりつつお母さん方の勉強をささえ

て下さっている。ある先生は、子供たち

の教育効果はこの学級の成長に比例する

といっていた。この地域のお母さん方は

ともに手をたずさえて、子供のための遊

び場をつくり、また子供のよい相談相手

として、日々の精進をおこたらない。

(4) 調査や資料の作成をどうしたか

 全県下の婦人学級や婦人団体がどのよ

うな実態のもとにすすめられているの

か。そのことをとおして、問題点を究明

していくための調査を実施した。

 資料としてはつぎのものを作成し、地

域の媒人教育をすすめるための参考とし

た。

(イ) 婦人の学習のために(その一)

 (媒人団体・学級の調査分析など)

(ロ) 婦人の学習のために(その二)

 (婦人学級の方向と実践状況など)

(ハ) 新しい生活を築くために

 (地区の社会教育計画・媒人の小集団

 活動の方向など)

(ニ)話のすすめ方「海野昇雄著」

 (学習の方法、特に話合いによる学習

 の諸技術など)

 その後婦人の学習はどのようなひろ

 がりをみせているか

 県単独の事業としては、数も少く、そ

の予算等も全国最下位のグループに所嵐

している現状なので、このささやかなも

のを最上に利用し、自分たちのものとし

てすいこんでいくために、参加した人々

を中心とした、各種の研究グループの生

れてくることを心から願った。そしてそ

のための資料の準備なども最善をつくし

たわけであるが、それらが十二分に活用

され、また活用されつつあるとは確信を

もっていい切れない。

 しかし、婦人学級も五〇〇余をかぞ

え、話合いを主とする一人一人の向上を

めざしたものに変えられつつあるという

ことである。その中でも今までほとんど


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