教育年報1957年(S32)-040/71page

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陽の目をみなかった若い人たちの学級が

四〇も生れてきているという事実は、婦

人のめざめを如実にあらわしているとも

考えられる。またおくればせながら婦人

団体自体も小さな集団にきりかえようと

する努力をつづけているし、その内容な

ども、行事中心のはなやかなものから、

学習中心にかえられつつあるという傾向

は、今後もますます奨励されていいこと

である。

 じみではあるが、この婦人の学習があ

らゆる風波にたえつつ根づよくのびて、

大きく社会をかえていく日のくることを

期待している。

昭和三十二年度 重点を置く事業計画とその実施状況の概要
社会教育
指導者
の養成
  計  画  概  要 実  施  状  況 
○婦人指導者講習会 安積、岩瀬、田村 8月13〜14日
熱海町
対象 婦人会、婦人学級の中堅幹部内容 西白、東白、石川 8月15〜16日
白河市
1 小委員会制度について 耶麻、北会、両沼 8月20〜21日
熱塩加納村
2 婦人学級の中でみられるか
グループ活動について
南会        8月22〜23日
下郷町
3 小集団活動のすずめ方について 相馬、双葉     8月27〜28日
相馬市
○婦人学級研究集会 石城        8月29〜30日
磐城市
対象 市町村教委社会教育係、
公民館主事、婦人学級を指導する学校の先生
信夫、安達、伊達 9月10〜11日
飯坂町
内容 信夫、安達、伊達 11月20〜22日
福島市清水地区社会学級並びに飯坂町
1 文部省委嘱婦人学級の学習
状況参観
北会、耶麻、両沼、南会 11月25〜27日
塩川町姥堂婦人学級並びにびに熱塩加納村 
2 社会教育講座と婦人学級 石川、東白、西白、安積、田村、岩瀬
11月28〜30日
石川町石川婦人学級石川町
3 学級の企画、運営、指導者について 双葉、石城、相馬 12月10〜12日
浪江町苅野婦人学級浪江町


第五節 文化活動をどう進めたか

 “青少年の音楽、演劇、文学などの文

化活動を活発にしていく”

 “住民の芸術その他の文化サークル活

動を助長していく”

 こういう努力目標をかかげた三十二年

度県教委の芸術文化関係の足跡は、果し

てどれだけの目標への接近がみられたろ

う。

(一) 努力目標は、要すれば、地教委、公

 民館が中心となって地域の芸術に志す

 人や団体を育成し、また、彼らが住民

 の芸術への関心・理解を深め拡めるよ

 う努めてほしい、ということであっ

 た。

  芸術というものが、なにか高踏的な特

殊な階級のもてあそびの中にしか生れな

いような考え方は、依然として強い。

  そうではなく、芸術が大衆の中にあっ

て生れ栄えるような、そしてそれが教育

活動の中で展開されていくような方向

を、三十二年度に期待したわけである。

  そのために、県内くまなく芸術活動を

もりあげていくためには、一つには、地

教委の公民館などが中心となって地域の

芸衒団体の助成をこころみてほしいとい

うことと、もう一つは、何よりも青年た

ちの間に、芸術を愛する芽を育ててほし

いというねがいであったのである。

  さいわいに、県教委と各開催地教委と

の共催で行った県美展やその巡回展・移

動音楽会・演劇コンクールとその予選、

青少年演劇研究発表会などは勿論、県内

ほとんどの市町村に繰りひろげられてい

る文化祭・芸術祭・美術展などが年一年

とさかんになってきていることは、地教

委、公民館が地域住民への芸術文化振興

のため手をさしのべているあらわれと考

えたい。

  そしてさらに、それら文化祭が一つの

市、一つの町で行われることの外に、さ

らに規模を大きくした形で二つの市町村

が共同して芸術祭が催される契がみられ

始めたこと。

  また、もう一つは、勉教委が単独で地

域青年、一般のための芸術部門講座・指

導養成講習会などを積極的に開きすすめ

てきたこと。

  これらが特長的にいえる三十二年度の

展開であったと思われる。

  ただ、教育関係にある者が、芸術の教

育的意義とか、芸術と社会とか、青少年

の芸術活動の重要性などについて、もっ

と関心と理解を深める必要があろうと

いう昨年度の問題は、やはり三十三年度

にも引き継がざるを得ないのであろう。

(二) 努力目標に添って行った、県独自の

  事業は(1)すぐれたものの発見(2)指

 導者の養成(3)鑑賞機会の提供(4)資

 料の提供ということであった。

(1) 年一度県内の芸術関係者の参加をも

 とめて、その研讃の結果の発表を通し



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