教育年報1957年(S32)-050/71page
け、昭和三十二年八月三十日にさかのぼ
って施行されることになった。
本条例による補償の種類、支給方法等
は公務員の場合と同様であるが、学校医
の報酬が一般に低額であることから標準
日額に代るものとして医師の経験年数か
ら割出した補償基確額を定めたこと、扶
養親族がある場合、一定額を加算したこ
とが異っている。
経験年数二十五年以上の医師が公務上
の災害により死亡した場合約百二十万円
第一級の障害をうけた場合は、約百五十
六万円の補償金が支給される。
第四節学校体育はどのようにして振興充実を
はかったか
保健体育科は、身体活動が児童生徒の
発達や、望ましい社会生活に貢献しうる
ような能力をもたせることをその使命と
しているのであるから、まず適切な学習
環境をつくらなければならない。
個人や社会の必要を満しうる能力を養
うためには、適切な指導者、学習集団、
施設、用具をもって、児童生徒の自主的
な学習の場を構成することが前提となる
のである。
このためには学校は、児童生徒の必要
性をしっかりとらえて、学校自身の指導
計画を立てなければならないが、学習能
率と効果をあげるためには、これに関係
する指導者の姿質向上と学習指導法の研
究が、学校体育の振興充実に極めて必要
な条件となってくる。
本年度は、研究指定校の二か年継続
と、各種講習会研究会の開催により、問
題解決の道を進めた。
その成果については、会津若松市立日
新小学校並びに磐城市立小名浜第一中学
校が、保健体育優良学校として全国表彰
をうけ、またその他研究指定校において
も、それぞれの地域における保健体育モ
デル校として、立派な成果をあげ地区学
校体育の振興充実に大きな役割りを持つ
ように成長した。
指導者の資質向上についても、漸次努
力のあとが認められ、児童生徒の基礎体
力が上昇しつつあることは喜ばしいこと
である。
しかし、さらに学校体育の振興充実を
はかるために、各地区における指導組織
の確立と指導者の養成の必要を痛感する
ので、新年度における課題として努力し
たい。
一 学校体育指導者講習会
趣旨 改訂学習指導要領の趣旨にそった
学習活動の方法については、小・中・
高校それぞれの教育現場でいくたの問
題をもっている。この問題解決の一助
とするため、斯界の権威者である東京
教育大学、前川峯雄、松本千代栄の両
先生を招へいして講習会を開催し、体
育科関係教員の研修の機会を持つとと
もに、資質の向上を図り、学習指導に
役立てようとするものである。
期日 五月三日、四日
場所 県立安積女子高等学校
郡山市立第二中学校
講師 東京教育大学 前川峯雄
松本千代栄
福島大学学芸学部 佐々木等
県教委 保体課長 鈴木勝枝
〃 指導主事 鈴木善兵衛
その他保健体育課員
内容 体育理論、体操、巧技
陸上競技、リズム運動
参加者 小・中・高校教員 三六一名
二 体育実技講習会
主として小・中学校教員を対象とし
て、本講習会を開催したところ、地教
委、校長会並びに体育研究会の絶大な協
力により極めて有意義に終了することが
できた。実技の研修は、直接学習指導に
役立つところが大なので、本講習会は将
来継続してほしいと、各方部から希望意
見があるので、内容や実施方法を十分検
討しながら実施して行きたい。
期日・会場
六月七、八日 白河市
六月十、十一日 喜多方市
六月十六日 石川町
講師
県教委事務局保体課長 鈴木勝枝
〃 指導主事 鈴木善兵衛
〃 主事 深井一二
〃 主事 安部井文子
内容 徒手体操、巧技、リズム運動
参加者 白河会場 一四二名
喜多方会場 一〇六名
石川会場 一〇二名
日程
9.00 10.00 11.00 12.00 13.00 16.00
第一日 受付 開講式 体操選手 男 リズム 男 巧技 女 巧技 女 リズム 第二日 男 巧技 開講式 女 リズム
三 水泳安全指導者講習会
期日 七月七日
場所 郡山市立橘小学校
講師
県警察本部教養課 山崎正司
県教委事務局保体課長 鈴木勝枝
〃 指導主事 鈴木善兵衛
内容
講義 水泳安全管理について
実技 救助法、人口呼吸法
参加者 小・中・高校教員約一〇〇名
四 学校剣道伝達講習会
従来中学校で実施していた“しない競
技”と高等学校で実施していた“しない
競技”並びに“剣道”との内容を整理統