教育年報1957年(S32)-052/71page
部の団結を重視するのあまり、上級
生が同僚や下級生に能力をこえた練
習を強いたり、さらに、暴力的な行
動にまでおよぶことのないようじゅ
うぶん指導すること。
(4) 運動部の練習については、生徒の
健康や学業をじゅうぶん考慮すると
ともに、できるだけ短時間に練習効
果のあがるように指導すること。
5 合宿練習の指導において特に留意す
べき点
(1) 合宿の生活においては、教師は必
ず寝食をともにして監督し、その生
活がとかく運動練習のみに偏りがち
であるので、運動練習以外の生活に
おいても、学習その他について自主
的な計画を立てるよう指導し、日々
の生活が規則正しく行われるよう配
慮すること。
(2) 合宿生活は、ややもすると、飲酒
喫煙、その他好ましくない遊びや集
団的な非行の機会になりがちである
から、教師は常に生徒の行動を確実
には握してその生活全般にわたる指
導に留意すること。
(3) 合宿練習は、通常の場合の練習と
異って、練習時間や練習量が多く、
生徒は心身ともに疲労を増してくる
ので、教師は個々の生徒の健康や衛
生に留意し、病気になったり、傷害
を起したりするもののないよう注意
すること。
2 学徒の対外運動競技の基準について
(32・7・18)
学徒の対外運動競技(以下「対外競
技」という。)は、それが真に教育的に
企画運営される場合には、学徒の身心の
正常な発達を促し、公正にして健全な社
会的態度を育成するためのよい機会とな
り、教育的効果はきわめて大きい。
しかし、その運用を誤ると、学校教育
の自主性がそこなわれ、学業がおろそか
になり、健康を害し、多額の経費を費す
など種々の弊害を生じ教育上好ましくな
い結果を招来する。
対外競技は、教科としての体育、クラ
ブ活動、校内競技などの関連をじゅうぶ
ん考慮し、学校教育の一環として行われ
なければならない。学徒が対外競技に参
加する場合は、校長は、その責任におい
て競技会の性格をよく検討し、学校教育
の立場から無理がないように配慮すると
ともに、じゅうぶんに教育的効果を収め
るように務めなければならない。
以上の見地から、対外競技については
左記の基準によるものとする。
記
1 小学校の場合について
小学校においては、対外競技は行わ
ないものとする。ただし親ぼくを目的
とする隣接の学校との連合運動会はそ
の目的を逸脱しない限り、行うことが
できる。この場合、その主催者は当該
学校または市町村教育委員会とする。
2 中学校の場合について
中学校の対外競技は、県内の競技会
にとどめる。ただし、隣接県にまたが
る宿泊を要しない小範囲の競技会で当
該県教育委員会の承認を得たものはこ
の限りでない。なお、県内の競技会の
場合も、なるべく宿泊を要しないよう
な計画とする。
3 高等学校の場合について
(1) 高等学校の対外競技は、県内で行
うことを主とし、東北大会、全国大
会の開催は各種目についてそれぞれ
年一同程度にとどめる。
(2) 東北大会、全国大会への参加は生
徒一人についてそれぞれ年一回程度
とする。ただし、国民体育大会への
参加は例外として取扱うものとす
る。
4 全日本選手権大会または国際的競技
会への参加について
中学校または高等学校の生徒を次に
掲げる競技会に参加させようとする場
合は、県教育委員会において、文部省
に協議するものとする。
(1) 中学校生徒の個人競技において、
世界的水準に達している者またはそ
の見込のある者が、全日本選手権大
会または国際的競技会に参加する場
合
(2) 高等学校の生徒が国際的競技会に
参加する場合
5 主催者について
(1) 学徒の参加する競技会は、教育関
係団体または機関が主催し、その責
任において教育的に運営されなけれ
ばならない。ただし、高等学校以上
の学徒の参加する競技会については
教育関係団体が中心となって自主的
に構成される審議機関の審査を経て
教育関係団体以外の団体を協力者と
して主催者に加えるととができる。
この場合において教育関係団体、教
育関係機関および自主的に構成され
る審議機関とは次のものをさす。
ア 教育関係団体とは、福島県体育協会、
これに加盟している競技団体、
学校体育スポーツ団体(県高等学校
体育連盟,県高等学校野球連盟、
県中学校体育連盟)およびこれらの下
部組織を(これらの団体の最下部組
織であるクラブおよび学校は含まな
い)いう。
イ 教育関係機関とは、県教育委員会事務局、
県教育委員会事務局各出張所、
市町村教育委員会等の教育行政機関
をいう。
ウ 自主的に構成される審議機関と
は、県内および地方の競技会につい
て審議するために、教育関係団体が
中心となり、学識経験者を加えて構
成されるものである。
(2) 県高等学校体育連盟、県高等学校
野球連盟、および県中学校体育連盟
は、その下級の学校の競技会の主催
者となることはできない。
(3) 主催者は、当該主催者の管轄する
地域または事業の範囲以外の地域に