教育年報1957年(S32)-060/71page

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第一節 どのような事業を行いどう利用されたか

一、統計調査

 統計法にもとずく教育関係諸調査をは

じめ、文部省が毎年行う定期的調査があ

り、その一部については県統計課と協力

して調査を実施した。

 また、県教委が独自に企画した調査

や、文部省の依頼調査と併行し、または

共同調査も行い、その結果は別項のとお

り公刊して教育施策の基礎資料として利

用に供してきた

(1) 学校基本調査

(2) 学校衛生統計調査

 県統計課に協力し、文部省との協議打

合せと県内説明会に出席した。調査結果

は「学校統計要覧」の編集資料とした。

(3) 学校現況調査

 学校基本調査と併行して同一期目をも

って教職員構成状況、学級編成状況、児

童生徒異動状況を調査し、資料第一四号

で結果を公表した。

(4) 地方教育費の調査

(5) 地方教育行政組織に関する調査

 文部省で毎年全国に調査を依頼してい

るもので、本県でも全公立学校と地教委

を対象として実施した。この調査結果は

若干の分析に年次推移を添えて解説し、

書名「ありのままの教育費」で報告書を

公刊した。

(6) 学校給食調査

 小・中学校の給食実施校を申告義務者

とする指定統計で、本年度は給食の実施

状況のほかに、準要保護世帯を抽出調査

して給食費の補助の資料とした。この調

査結果は資料第一五号で発表した。

(7) 児童生徒体力調査

 小学校二八校、中学校一四校、高等学

校四校を抽出し、八才から一七才までの

児童生徒の走・投等の六種目を測定し

た。

 この結果は全国平均との比較を添えて

解説を附し、資料第一八号(四月刊行予

定)に掲載の予定である。

(8) 勤労青少年教育状況調査

 定時制高等学校、技能者養成所等の勤

労青少年教育施設の教育状況と、生徒、

指導者、雇傭主の意見を抽出調査した。

 この結果は一部を月報十二月号に掲載

した。

(9) 就職状況等調査

 高等学校定時制課程の悉皆を対象と

し、本年度卒業者の七分の一を標本抽出

して往復はがきで回答を求めた。

 就職の動機や学校教育と現職との関係

等の十数項目にわたる質問紙法による調

査結果は資料第一九号(五月刊行予定)

をもって発表する予定である。

(10) 教職員勤務負担量調査

 小学校一○校、中学校八校を抽出し

て、全教職員の一か月間の公務について

個人調査を行い、学校ごとに集計した。

 また、この附帯調査として、出張と欠

課についての学校調査があり、これらの

集計結果は文部省の全国処理によらなけ

ればならないので、本県分のみの発表は

避けた。

(11) 長期欠席児童生徒調査

 小・中学校児童生徒のうち、年度間五

〇日以上欠席した者について、欠席理由

と扶助状況を調査するものである。

 これは翌年度に集票するので現在各学

校で調査記入中であり、調査結果は資料

第二〇号に掲載の予定である。

二、教育研究

 研究担当の係は従来の二名が本年度に

おいて一躍二倍の四名に増員された。し

かしこの数字は県立教育研究所の全国平

均一五・四人-もちろんこの中には所長

・庶務係などが含まれているが-に比す

れば遥かに小さいものである。

 いずれにせよ二倍に増員された本年度

は今までになしえられなかった本県での

標準学力検査問題に着手することができ

た。

(1) 診断的性格をおびた福島県で標準化

 した学力検査問題の作成

 一概に診断テストと言っても、その分

析の程度、その診断の深さなどによりい

ろいろの程度のものが考えられるが、今

回研究所が意図したところのものは学習

の進歩を妨げる一般的な原因の診断では

なく、教科の内容的原因の診断で、まず

その第一歩として教科内容に従って設定

した各領域ごとに標準化した尺度を用意

し、領域相互間の欠陥の所在を明らかに

した。

 次いで領域内での学習過程の機能的な

分析にもとづいた問題の構成により、個

人個人に即して絶対的にその欠陥や誤診

のあり方を知ることができるように務め

た。

 従ってこれは新年度に担当学年より一

つ下の学年の学力検査問題を使用し、そ

の結果に基礎をおいた年間指導計画の樹

立に役立てることを目的としているもの

である。

 さらに個々の児童生徒の成績を他の児

童・生徒と比較解釈しようとすると全

国、または、全県の学力永準が必要とす

る。全国的な標準テストは全国のあらゆ

る学校・学級で適用できるよう最大公約

数的な問題構成をもったものであり、ま

た全国水準は過去数度の学力調査の結

果、本県の水準より高いことなどから、

福島県で標準化した学力検査問題の必要

性が感じられる。

 こうした要求にも応えうるものとして

前述の診断的性格をおびさせるととも

に、標準テストの形態をも具備させるた

めの標準化を行うことにした。

 このことからは、学年末にこの学力検


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