教育年報1962年(S37)-033/169page
を優先的にし,なるべく他管内に採用し,県下全域にわ
たって,教育の能率向上と刷新充実をはかるよう努めた。
選考にあたっては,校長採用志願者全員に対して,各
出張所管内ごとに,同一問題について県下一せいに筆答
試問を実施し,有能適格者の選考抜てきにつとめた。
本年はへき地,農山村に勤務されているものの中から
も,小20名,中4名の新任校長が抜てきされたこと,さ
らに女子校長1名の新任をみたことは将来に明るい希望
を与えたものと信ずる。
5 教頭の採用について
教頭の新採用については,その職務の重要性にかんが
み,校長の選考に準じ慎重を期したが,校長と同様管理
職であるという立場から適格者を得るようにつとめた。
農山村,へき地には特に新進気鋭の有能な教頭の配置に
つとめた。
6 交流について
校長の交流については校長職の重要性を考慮し,全県
的立場から適材を適所に配置し,刷新充実を期する意味
をもって,広域にわたって行なうよう努めた。特に学力
向上の面から地域性を考慮して配置するように努めた。
教頭についても校長に準じて行なうよう努めた。
教職員については,都市と農村,へき地と平地,他管
内,学校種別間の交流を推進し,教育能率の向上を図る
ため円滑な交流が行なわれるよう努力した。
事務職員と養護教員についても,適正に配置されるよ
う交流につとめた。
交流についてかえりみると
(1) 教育効果第一主義の交流に主眼をおいて実施した
が,まだ希望人事の傾向がのこされている。
(2) へき地と平地との交流は各管内ごと,へき地区分
を設定し,歩調をそろえて計画的に,しかも全県的
に実施したが,今後も継続的に推進したい。特にへ
き地勤務者よりの抜てきは明るい希望を与えた。
(3) 小中学校より県立学校に約200名の配置替があっ
たが,小中学校教員組織の低下を来たさないよう慎
重な配慮がなされた。しかし必要教員の確保につい
ては今後とも検討したい。
(4) 他管内との交流については教員定数の減を生じた
管内もあったが,1対1の交流を解消しながら推進
したことは喜ばしいことである。
(5) 他県交流も相当数の実現をみたが,今後もできる
だけ促進したいと考えている。
第4節 県立学校教職員の任用
1 新採用について
高等学校教員の採用志願者は,大学新卒者および中学
校現職者,他県現職者,その他をあわせて約800名に達
したが,この半数の400名は本県中小学校現職者で占め
られていた。
採用志願者の総数からみれば採用にじゅうぶんな教科
別に見ると極めて不均衡であって,特に工業科,数学
科,理科のうち物理,化学等では優秀人材の確保は困難
な状態にあった。しかし,中小学校からの転補や高校教
職員の配置転換によって,一応学校運営に支障ない必要
数の確保ができたのに反し,社会科等においては,志願
者の一部を採用したに過ぎない状態となった。
また,工業関係の実習助手および技能員の採用につい
ても工業科教員同様人材確保に困難な状態にあり,高
校急増期中の教職員の確保には計画的に最大の努力を傾
注しなければならないと考える。
2 校長の新採用
県立高等学校においては,新設4校があり,さらに部
からの独立3校があったので合せて高校が増加し,加え
て9名の校長退職があったために,校長の新任15名と聾
学校からの転補1名の異動となり,これに伴なって聾学
校1名の新任校長が生れた。
また,校長人事に伴なって部長1名,副校長3名,教
頭定時制主事28名が新任または転補された。
校長および管理職の人事に当っては定時制教育関係,
特殊教育関係および女子教員等広く人材を求めて抜てき
登用し,管理職人事の刷新をはかったものである。
3 交流について
今年度末人事は教員の人材確保のため新採用が中心と
なった観があるが,新設校の設置に伴なう異動や,多数
の新任教員の採用による年令,経験年数等の均衡のため
の異動に加えて,都市と周辺校間,全日制と定時制間の
交流につとめ,その件数150におよぶ等,教育効果第一
主義の方針によって教職員配置の適正化に努力いたした
次第である。
第5節 教職員の免許
教育職員免許法は,教育職員免許状の授与方法とし
て,大学における学校教育による教員養成と,教員が現
職に在りながら研修を積むことによって,上級または異
種の教育職員免許状を取得する方法をとっておる。
当委員会としては,前者については県内における教員
養成課程を有する大学の卒業生ならびに現職教員で通信
教育により大学の教員養成課程を修了または卒業した場