教育年報1962年(S37)-059/169page

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 いま,学力向上対策の問題について回想するとき,こ

のことをしみじみ思わずにいられない。

(注1)

 学力向上対策委員会設置要項

(1) 委員会設置の趣旨

 本県の児童生徒の学力が全国学力調査の結果低位にあ

ることが明らかにされた。

 そこでこれを向上させるため本県における学力を規制

する諸条件がいかなる状況にあるかを調査検討し,学力

向上を阻害している要因を究明し,これを改善するため

の教育諸条件の整備に関する資料を作成し,特に県教委

としてとるべき施策の重点を明らかにする。

(2) 目的および性格

 学力向上の施策原案を作成し,教育長に答申する。

(3) 審議内容

 1) 学力向上を阻害する要因の探究

 2) 学力向上対策の樹立

(4) 構成および運営

 1) 県教委事務局各課室より構成員を選任する。

 2) 委員長には教育次長が当り,委員会を主宰する。

 3) 必要に応じて出張所,校長会,PTA教職員等よ

   り意見を徴する。

 4) 原案作成等には必要に応じて小委員会を設ける。

  小委員の委嘱は委員長が行なう。

(注2)

 学力向上についての当面の対策

 本県児童生徒の学力に影響を与える条件は,児童生徒

の主体的条件,教師の条件,学校の条件,家庭の条件,

教育行財政の条件,社会の条件等の複合的なものである

したがって,学力の向上についても,それぞれの条件を

成り立たせる立場のものが,おのおの責任を果たし,そ

の効力を結集することによって,はじめて成果をおさめ

ることができるものと考える。

 なお,このことは,根本において,正常な本県教育界

の教育的熱情と,学問および教育を尊重する県民の協力

とにささえられることが必要である。

 施策の策定ならびに遂行にあたっては,上記の諸条件

に対応して,学力形成の中心である授業に関する部面か

ら,県民の教育に対する理解度なり生活の条件なりにも

関連する,広範かつ長期にわたる見通しと努力とによる

べきものであるが,さしあたり次の諸事項について努力

し,漸次,施策を重ねて抜本的な解決をはかろうとする

ものである。

(1) 授業の充実をはかる。

 学力の形成が授業のいかんにかかわることは決定的で

あるから,指導上の問題点を検出し,教師の指導力の向

上をはかり,授業の充実を阻害する条件の排除につとめ

学力がじゅうぶん身につくようにする必要がある。

したがって,

 1) 全国学力調査の結果を活用するとともに,学力診

  断テスト等の結果にもとづき,児童生徒の学力の現

  状を的確におさえ,指導上の問題点を明らかにし,

  指導の改善をはかる。

 2) プログラム,アナライザーやテーチングマシン等

  を活用して,指導法改善の資料を提供する。

 3) 教師の研修態勢を整備強化する。

  (イ)教師の研修意欲の向上をはかるため,研究奨励

   の方途を講じる。

  (ロ)現職教育の強化をはかるため,自己研修,校内

   研修を効果的に行なうよう指導するとともに,教

   材研究や実技に関する講習会を,実情に即して重

   点的に実施する。

  (ハ)教育課程研究集会に集約される学習指導要領の

   趣旨にそう指導の具体的研究を充実させる。

  (ニ)自主的研究団体の育成をはかるとともに,小,

   中,高校間の研究連絡,あるいは同一校種間の横

   の研究連絡および小集団による研究等,研究体制

   の確立について指導する。

  (ホ)長期研修の充実をはかるため,教育調査研究所

   をいっそう活用するとともに,あらたに理科教育

   センターを設置し,その機能をじゅうぶん発揮さ

   せ,また,内地留学の制度を強化する。

 4) 事務内容を検討整理し,執務の技能を高め,勤務

  体制の合理化をはかるとともに,行事の整理を断行

  し,研修時間を確保するように指導する。

 5) 市町村当局ならびに市町村教育委員会の協力によ

  り,教師以外の職員の増強をはかり,教師の事務負

  担の軽減に努力する。

 6) 研修体制の確立,行事調整の推進によって,実質

  的な授業時数を確保する。

(2) 校長,教頭の指導性を高める。

 その学校の教育力を高める中核的なものは,校長,教

頭の指導性である。

したがって,

 1) 管理職としての自覚と指導力を高めるための研修

  会,研究集会を開催する。

 2) できるだけ校内にあって,学習指導等について適

  切な指導助言を行なうよう指導する。

 3) 教育効率を高める人間関係の確立,研修気運の醸

  成につとめるよう指導する。

 4) 校務執行の能率を高めるために,校務分掌,諸表

  簿作成等の合理化をはかるよう指導する。


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