教育年報1962年(S37)-075/169page
(4) 新校舎への移転と入学式や開校式
4月以来お世話になった富田支所をあとにして12月
8日新校舎へ移転,1月10日待望の入学式を行なう。
翌2月8日県内外より150名の来賓を迎えて盛大裡
に開校式を行なう。
施設設備の状況は次のとおりである。
(イ)校舎関係 1127.02m2(342.8坪)
普通教室 (3) 特別教室(2)
診察休養室 (4) 管理室 (8)
(ロ)寄宿舎関係 638.00m2(192.9坪)
居室 (4) 寮母室 (1)
舎監 室 (1) 事務室 (1)
食堂 (1) 調理室 (1)
浴室 (1) 洗たく室(1)
(注) 校舎寄宿舎とも鉄筋コンクリート平屋建
床はプラスタイル張り,暖房はスチーム(重油
使用)便所は水洗式(洋式便器付)校内電話,
インターホーンの設備有
第1期建築工費,約5,100万円坪単位6万5千円
3 養護学校の教育
(1) 対象児童生徒
養護学校は肢体不自由児を対象として入学させるが
特に附設寄宿舎への入舎を希望する者は舎生活上,基
準を設け,日常生活における身辺の処理がほとんど介
助なくでき療育にたえ得る者としている。
(2) 学習内容
学習内容は普通の小,中学校と同様各教科,道徳,
特活,学校行事よりなりたっているが,特殊な面に機
能訓練がある。これは障害の程度に応じ,上肢,下肢
言語の訓練を行ない,機能の向上を目ざして行なうも
のである。
(3) 指導方針
(イ)でき得る限り普通児としての立場において実践
させる。
(ロ)実態をは握し,それぞれの能力に応じた指導を
行ないその子なりの学力を身につけさせる。
(ハ)不自由を克服し,将来民主社会で積極果敢に生
き抜く,たくましい精神力を養なう。
(ニ)依頼心を排除して自主的な態度を育成し,自ら
進んで物事を処理する能力を養なう。
(ホ)健康と安全に留意し,機能を生かして生活する
技能を高める。
(ヘ)ゆがめられた心やひがんだ社会観を除き,円満
な明るい性格を培う。
3 特殊学級の教育
1 特殊学級の現状
(1) 精神薄弱
本年度,県内の精薄学級は,小学校38学級(児童数
480人)中学校23学級(生徒数247人)である,
なお,設置学校名と学級数は次のとおりである。
(カッコ内が学級数 線は本年度新設数)
〔小学校〕
福島四小(4)大笹生小(4)二本松小(1)芳山小(2)
須賀川一小(1)須賀川二小(1)矢吹小(1)白河一小(1)
白河三小(1)棚倉小(1)石川小(3)城西小(1)東山小(1)
謹教小(1)喜多方一小(1)平五小(1)小名浜一小(2)
湯本二小(2)湯本一(1)長倉小(1)浪江小(1)中村一小(2)
原町一小(2〕小高小(1)保原小(1)
〔中学校〕
福島四中(3)信陵中(3)郡山二中(2)須賀川二中(1)
中央中(1)石川中(2)若松二中(2)平三中(1)小名浜一中
(1)湯本一中(3)中村一中(2〕原町一中(1)浪江中(1)
(2) 病弱虚弱
本年度,県内の病弱虚弱特殊学級は,小学校4学級,
中学校4学級,計8学級である。
なお,設置学校名と学級数は次のとおりである。
(カッコ内は学級数,設置場所)
〔小学校〕
藤田小(1藤田病院)開成小(1郡山病院)須賀川一小
(1須賀川国療)大野小(1大野病院)
〔中学校〕
県北中(1藤田病院)郡山六中(1郡山病院)須賀川三中
(1須賀川国療)大野中(1大野病院)
2 福島県特殊教育研究集会
(1) 目 的
特殊教育において当面している問題について研究
協議する。
(2) 主 催
福島県教育委員会,郡山市教育委員会,福島県特殊教育研究会
(3) 会 場 郡山市芳山小学校,岩代熱海浅香荘
(4) 期 日 昭和37年7月6日(金)7日(土)
(5) 内 容 実演授業研究討議,講演
(6) 講 師 福島大学 工藤正悟
粟野小学校長 遠藤伊雄
(7) 分科会
・ 普通学級班
普通学級におけるちえおくれの子の指導について