教育年報1962年(S37)-076/169page

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  ・ 精薄学級班

   ・教育課程,指導要録,通知票について

   ・指導技術の向上(図工科)

  ・ 管 理 者

   ・教育課程について

  ・ 虚弱児肢体不自由児班

  ・ 保護者班

 第10節 学校図書館

1 概  況

 教育課程が小,,中,高等学校について改訂されるに伴

ない,学校図書館の学校教育においても占める位置もま

た明確化される必要が出てきていることは周知のとおり

である。

 すなわち,資料センタ,教材センターとして各種資

料が整理充実され活用の推進がいっそう行なわれなけれ

ばならない時期になっている。現に「学校図書館」とい

うのを「資料センター」という名称にしている学校のあ

る県もある状況である。本県においては,この学校図書

館の施設設備の現況は,高等学校においては,独立図書

館を持つ学校が3分の1に近づこうとし,この独立した

図書館を建てようとする傾向はきわめて強いものがあ

る。ただ,本年度は明年から急増する生徒数に備え,い

わゆる急増対策として普通教室の増築その他によって,

やや足踏みの状態にある。

 また,小中学校においても充実した学校図書館ができ

ており,視聴覚室や資料室等のある組織化されたものも

ある。

 しかし,問題は,ここ数年,中学校において生徒数の

急増から学校図書館が普通教室に転用され,廊下の片隅

等にわずかに蔵書棚の形で温存され,本来の機能を果た

していない学校が多くなっているという現況にある。

 これは簡単には解決できないことではあろうが,生徒

数の漸減に伴なって,当然改善されるべきことであり,

学校図書館の重要性からいって,特に「学力向上との関

係」などから考えても,できるだけ早急に手をうつべき

であろう。

 (福島県教育調査研究所の昭和36年10月全国学力検査

に関する調査の中でも,図書館資料と成績との相関度が

高いことを指摘している。)

 戦前は,学校図書館は書庫的な性格が強く,小中学校

でもほとんど児童生徒の自由な閲覧だけにまかせておい

たが,戦後は,各種資料を利用し活用する指導が行なわ

れるようになり大きな進歩をしてきている。

 このための研究や実践が着実に進められ,利用のため

の目録も作成され,「件名目録」を備える学校も出てき

ている。

2、学校図書館設備,資料等充実状況

 一般的な状況は,前述のとおりであるが,小中学校に

おける図書等の文部省基準に対する充実状況は,現在は

正確な調査はないけれども県平均90%前後と考えられ

る。なお,小中学校について,学校図書館法に係る国庫

負担金が昭和33年度から「教材費」に含まれたため,学

校によって学校図書館に対する熱意の程度によってその

充実度にかなりの差が生じてきていることも否めないよ

うである。

 高等学校の充実状況は次表のとおりである。

 高等学校図書等充実状況

学校種別 品目 学 校 数
(36.5.1現在)
基準以下の
学 校 数
(36.5.1現在)
不足数量
(37.3.31現在)
不 足 率
(同 左)
基準以下の
学 校 数
(同 左)
高等学校 図書 71 4 1,595冊 0.6% 3
書架 71 13 260m 0.3% 12
カード,ケース 71 10 337cm 2.9% 10
盲学校高等部 図書 1 1 0冊 0% 0
書架 1 1 2m 1.0% 1
カード,ケース 1 1 41cm 100% 1
ろう学校高等部 図書 1 0 0冊 0% 0
書架 1 1 1m 16.7% 1
カード,ケース 1 1 9cm 100% 1
養護学校高等部 図書   ―  ―
書架   ―  ―
カード,ケース   ―  ―
新設の高等学校 図書 1 1 665冊 5.5% 1
書架 1 1 25m 67.5% 1
カード,ケース 1 1 55cm 10.0% 1


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