教育年報1962年(S37)-077/169page
3 学校司書配置の状況
学校図書館法では,その第5条に専門職としての司書
教諭の設置を規定してある。
これは,学校図書館事務の複雑さと重要性とから定め
られたものであって,学校図書館が片寄りなく充実整備
され機能がじゅうぶんに発揮されるためにどうしても必
要なことであるが,附則の「当分の間,司書教諭を置か
なくてもよい。」という条項を楯に司書教諭の任命を行
なっていない県が大部分である。
そして,学校図書館係教諭や,いわゆる学校司書によ
ってこの困難な仕事が行なわれている現状である。
この学校司書は,PTA会費等によって負担されてい
るのが普通であるが,公費によって設置する市町村も次
第にできている。
特に,この学校司書は俸給や身分が不安定であるとい
うことなどもあって,各方面からその公費による設置の
要望がかなり強くなっており,早晩なんらかの手がうた
れなければならないのではなかろうか。
本県において,現在,公費によって学校司書を置いて
いる市町村は次のとおりである。
〔小学校〕
郡山市(事務員) 平市(司書補助)
常磐市(司書補) 小野町(事務助手)
三春町(給仕) 好間村(事務助手)
遠野町(司書補)
〔中学校〕
常磐市(司書補) 相馬市(用務員)
平市(司書補助) 会津坂下町(事務員)
三春町(司書) 鏡石村(事務員)
会津若松市(事務員) 遠野町(臨時雇)
鹿島町(司書補)
4 関係通達
学校図書館関係教育長通達のおもなものは,次のとお
りである。
・昭和37年度学校図書館司書教諭講習会の実施につい
て(文部省通知) (37.6.19)
・昭和37年度学校図書館研究協議会の開催について
(37.9.4)
5 研究学校
・研究指定
校会津若松市立謹教小学校
・研究主題
「学習指導における図書館資料の活用」
・研究発表会
◇期 日 37.11.9(金)
◇公開授業 全校授業,研究授業
◇研究発表
・研究経過報告
・本校図書館経営の実際について
◇パネル討議
「子どもの読書指導をどう進めたらよいか。」
◇分科会
第 1分科会〜学校図書館の設備運営をどのように
したらよいか。
第 2分科会〜資料の収集整備をどのようにすれば
よいか。
第 3分科会〜資料の整備をどのようにすればよいか。
◇講 話
「学校図書館資料の整備と活用」
県指導主事 白石和夫
6 研究会
昭和37年度学校図書館研究協議会
◇期 日 37.10.5(金)〜6(土)
◇会 場
第 1日 小学校〜白河二小
中高校〜白河二中
第 2日 白河高等学校
◇研究主題
「あたらしい教育課程に貢献する学校図書館はい
かにあるべきか。」
◇公 開 一般授業,指定授業,設備参観
◇分 科 会
・小学校
第 1分科会〜教育課程と学校図書館
第 2分科会〜学校図書館利用の指導とその困難点
第 3分科会〜読書指導をいかにするか
・中学校
第 1分科会〜教育課程と学校図書館
第 2分科会〜読書指導をいかにするか
・高等学校部会〜高校学校図書館運営の発表と討議
◇全 体 会(実践報告)
・本校図書館教育の現状〜白河二小
・本校の学校図書館経営〜福島四中
・本校図書館の現況と高校図書館運営費の諸問題
〜安積高校
◇講 演 文部事務官 井沢純
県指導主事 白岩和夫