教育年報1962年(S37)-111/169page

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保健体育

  第1節 概  要

 昭和37年度はスポーツの振興と保健教育の充実を目標

につとめてきたのである。スポーツの振興を実現するた

めには,単一な要素をとりあげて力を入れて見ても容易

に解決できる性質のものでなく,多くの関連要素を総合

的に考えて解決に当らなければならない問題である。

 そこでスポーツをとり扱う人的な面からその運営に直

接あたっている。体育団体の体質改善に関し,指導助言

を行ない,対外的スポーツ大会などの上位進出を目指し

て,各種体育行事の充実を図るをともに,県民全般にわ

たるスポーツ人口の増加に努力してきた。

1.スポーツ関係施設の拡充整備については,県営体育

 館新設に着手したのを手始めとして,現有の漕艇,ス

 キ「スケート,野球,陸上競技場などの整備をはか

 った。

2.スポ一ツ振興のための審議会を設け,県内スポーツ

 振興に関する基本的問題を審議し,また意見を建議す

 ることとなった。このことは従来の体育指導委員が県

 委嘱を解き,全員市町村任命となった時期でもあるの

 で,県の審議会は重要な役割をもつこととなった。

3.スポーツ選手の強化については,各競技種目が優秀

 選手を発見し,その資質を向上するための,強化合宿

 練習会また指導者自身のコーチの研究会などを実施し

 てきた。

4.選手の強化は単に現在のみを捉えることだけでな

 く,高校学校,中学校時代の体育指導が基盤であると

 ころから,高体連,中体連の運営にも助言を与えその

 適正を図ってきた。

5.学校体育指導の充実には児童生徒の体力の現状を確

 実に把握することが出発点であるところがら,体力テ

 ストの実施を行ない,全国との立場を明らかにし,そ

 の起因を探究し,指導上の諸問題を計画的に解決する

 こと,現場においては体育指導者自身の資質向上と学

 習に直結する用具や施設の改善くふうに努めることを

 重点的にとりあげた。

6.身体発育の要因は,食生活が基盤であるところか

 ら,学校給食の普及充実により適正栄養の確保と正し

 い食事の理解により,比較的誤解の多い農山村の普及

 開拓と恵まれない夜間高校などの面に努力をし,着々

 その効果が見られるようになった。ミルク給食に関し

 ては全国的問題としても画期的発展の気運が見られる

 に至った。

7.学校における児童生徒の保健については,学校病の

 予防を中心とし,保健環境の整備,学校保健計画の実

 践,指導者の資質向上を図り体育学習と相まって健康

 な学徒育成に努力した。

  ことに事故による災害発生は昨今いちじるしく増加

 しているところがら,水死事故防止,交通事故防止,

 学校火災の絶無などに万全を期し,安全教育の徹底に

 努力してきた。

8.本県の民度向上には健康がその基礎である広い視野

 に立って,強い体力と実行意志を獲得するために,ス

 ポーツ活動の普及奨励を図り,明朗闊達な県民性を培

 りことにあるので,内容も野外活動やレクリエーショ

 ンなどをとり入れ,青少年,家庭生活の婦人層などに

 はとくに意を用いた。

  スポーツはとくに新しい角度から社会教育の総合計

 画の中でとり扱うことの必要性が呼ばれているので,

 県も市町村も共々にスポーツ振興法がりっぱに県民の

 一人一人に生きるよう努力しなければならない。

  第2節 学校保健

1 第10回福島県学校保健研究大会

 7月6,7日の両日,郡山市立橘小学校において開催し

た。参加人員約1,000名,開会式,表彰式,研究発表,

講演,分科会などあり,学校保健の理解と深化に役だっ

た。特別講演「学校安全について」と題する文部省体育

局学校保健課教科調査官湯浅謹而氏,ならびに「児童生

徒の健康診断における歯の検査の事後処置の問題点と解

決法について」と題する日本学校歯科医会長向井喜男氏

の講演は深い感銘をあたえると共に今後の本県における


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