教育年報1962年(S37)-137/169page

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 昭和36年度調査,研究の結果についてその内容を理解

し,指導のための資料として活用することを目的とし

て,出張所の指導主事への報告会を行った。

(2) 期 日 5月10日11日の両日

(3) 内 容 および発表者

 1) 中学校一せい学力調査結果の考察にあたっての留

  意点(牧野所員)

 2) 全国中学校学力調査の誤答分析の結果から見た指

  導上の問題点

   ・国語(付中,小平教諭)

   ・数学(吉田所員)

   ・理科(保原小,鈴木研修員)

   ・社会(杉田小,金沢研修員)

   ・英語(野田小,神永研修員)

 3) 望ましい学習指導法の実証的研究(六角所員)

 4) 方程式による応用問題解決のつまずき(河野所員)

(4) 参 加 者

 本庁ならびに出張所の指導主事

2 長期研修

(1) 目    的

 当研究所の継続研究としてとりあげた「望ましい学習

指導法の組織化」の研究に現職の教員を参加させて,望

ましい学習の指導法を体得させ,帰校後その学校および

地域における当該指導法の推進者とする。

(2) 研修題目

 能力に即した家庭学習とその結果を生かした学習指導

法の研究

(3) 研修内容

 1) 英語,社会,理科,数学についての教材の分析

 2) 児童,生徒の認識思考過程の分析

 3) 教材の論理と思考過程に即した学習指導案の作成

 4) 実践による検討

 5) 全国学力調査結果の分析

(4) 研修の場所

 1) 教育調査研究所および安達郡安達町立油井小学校

 2) 国立教育研究所

(5) 研究の期間

 昭和37年4月1日より昭和38年3月31日までの1ケ年間

(6) 研修員

  ・英語,社会  福島二中教諭    若林宏道

  ・社会      須賀川高校教諭  武田奥一

  ・数学,理科  桑折醸芳中教諭  花沢繁

  ・理科     熊倉中教諭     野原信夫

3 全国学力調査結果の処理法講習会

 全国学力調査の結果を,地教委,学校の立場でどのよ

うに活用するかについて,現場からの要望に応えて「処

理法講習会」を持った。

 37年9月より11月にわたって,県内13ケ所に2日間の

日程で1校1名以上の参加を求めて実施した。(参加人

員は約1,500となった。)

 内容は,自校の学力調査の結果をどのように処理して

県,国と比較すべきか,指導上の反省資料をどのように

して見つけるか等,必要な初歩的教育統計を加え,具体

的に集計表から数値を算出する実技を兼ねて行たった。

 これにより,個々の学校において,県で配布した資料

としての報告書を読みとり,自校の結果を分析する手が

かりを見つけることの出来るようになった点,大きな効

果があったものと思われる。

4 望ましい学習指導法の組織化の研究

(1) 動機・目的

 文部省では,昭和31年度以来,全国学力調査を実施

し,あわせて,学校が所在する地域の経済的,文化的諸

条件が,その学校の学力に影響を与えたるものであると

の仮定に立って付帯調査を行なってきた。

 その結果として,都市化の程度と学力は高い相関を持

っているが,学校規模や教員構成,図書の整備などと学

力の相関も高いことから,いろいろな因子が学力に影響

を与えているのだということがわかる。

 そこで,視点を変えて,昭和34年度に全国学力調査の

被検者の家庭生活状況と学力の関連を追求するため,「

都市と農山村の学力差の要因を明らかにする」ことを目

的にして生活調査を実施した。仮説としては,児童の生

活は都市化の程度によって差異が生じ,さらにそれが学

力と高い相関をもっているのではないだろうかというこ

とであった。

 結果については,すでに「全国学力調査に関連させた

生活調査の報告書」で述べた通り,学校間の校力差には

地域類型よりも,児童の家庭における作業量の差異によ

るものの方が大きく影響しているということであった。

 また,近時,学習指導法の体質改善の線に沿って,児

童の認識のすじに合った学習指導法や児童の自己活動を

重視する学習指導法の確立が強くさけばれ,学習の個別

化やフィードバックの重要性が強調されてきている。

 そこで,従来の家庭学習を能力に応じ予習を主とする

ものに切り換え,この家庭での予習を基礎として,これ

に学習の個別化とフィードバックの理論をとり入れた学

習指導の方法を体制化しようとしたのである。

(2) 分   野

 1) 教材の論理と生活の論理に即した学習指導計画案


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