教育年報1962年(S37)-138/169page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

 の作成

  教材としての系統をきめ細かに分析する反面,児童

 の思考または認識の過程を予想し,教材の系統性と児

 童の認識や思考の過程に見合った指導計画案を作成す

 る。

 2) 能力に応じた自主的な学習のさせ方の研究

  指導計画案に示された学習内容をどのようにして家

 庭学習―自主的な学習をさせるか。予習のしかたを分

 析し,児童の能力なりの自主的な学習ができるような

 予習課題の提出方法を研究する。

 3) 学習の個別化・フィードバックを取り入れた学習

 指導法の研究

  家庭での予習によって高められたレディネスの上

 に,児童が予習の段階で個別的にとらえられてきた問

 題点から共通の学習問題を組み立て,学級の場におい

 てフィードバックや集団思考を通じて問題の解決をは

 かる指導法を研究する。

 4) 以上の研究を実験学校において検討しつつ,漸次

 目的に即した指導法を体制化するとともに,一般への

 普及をはかる。

(3) 組織

 福島県教育調査耕究所組織規則第3条により,

安達郡安達町立油井小学校を実験校とし,同規則第8条によ

り,同校教職員を昭和37年7月19日付福島県教育委員会

名で研究員に委嘱し,研究所との共同研究を行なうこと

にした。

運営全般 牧野泉 中村昌幸(校長)
菅家勝豊(教頭)
石川クニ(庶務)
国語 六角新之亟 市川敏夫
佐藤栄覚
三浦ノブ
穂積セツ
社会 若林宏道
武田奥一
渡辺紀位
佐久間サト
森美代
佐久間サト
金沢トヨ
算数 河野利作 高橋秀夫
杉内正典
安斎アヤ子
理科 花沢繁
野原信夫
小柳昭三
高柴二郎
高守洋子


(4) 過   程

 1) 文献研究

  昭和37年4月より,同年6月下旬まで基礎文献研究を

 行ない,その後,継続的に各種文献研究を行なっている。

  その主なものをあげる。

 エリ・ヴェ・ザンコフ著

     授業の分析上・下

 ア・ア・スミリルノフ主監心理学12学習オートメ

一ションの理論と実験

 村上芳夫著   主体的学習

 W・オコン著   教授過程

 砂沢喜代次編  学習過程の実践的研究

 重松鷹泰著   授業分析の方法

 滝沢武久著   授業と認識

 広岡亮蔵著   学習過程

 新里宏一著   行動的思考学習

 矢口新著     プログラム学習の理論と実際

2) 所内研究討議

 ア 期  日

 4月から9月までの間は毎週水曜日の午後と土曜日

 の午前中に所内研究討議を行ない,10月以降は,週

 一回土曜日の午前中に研究討議を行なった。

 イ 討議内容

 (ア)児童の認識・思考過程について

 (イ)児童の自主的な家庭学習の態度形成について

 (ウ)学習過程と教授過程について

 (エ)授業分析の原理と方法について

 (オ)学習評価について

3) 教材研究

 7月から12月までの期間に実験学校のカリキュラウ

に準拠して,教材としての系統をきめ細かに分析し,

児童の認識の過程に即した指導案を作成した。

4) 授業への実践

 ア 4年間の継続研究の第一年次として9月から国

 語,社会,算数,理科の四教科にわたって授業への

 実践を行なった。

 イ 経  過

 (ア)第一回オリエンテーション

  ア)期日 昭和37年8月31日

  イ)内容

 〇従来の学習指導法の問題点

  ・学習の動機づけ

  ・問題意識

  ・自主的な学習態度

  ・集団思考と個別学習

  ・教材研究

 〇望ましい学習指導法の組織化における学習指導法

  ・授業の必然的な流れとしての予習的課題の設定

  ・個人差に見合った予習課題の設定

  ・学習方法の習得と自主的学習態度の育成を目ざ

   す学習指導


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。