教育年報1962年(S37)-142/169page
点の平均を用いることにした。
4表 学力と学校・学級規模に関する5項目との
相関
商業市街 農山村 純農村 普通農村 2年 3年 2年 3年 2年 3年 2年 3年 生徒数 0.62 0.55 0.18 0.22 0.15 0.15 0.35 0.35 学級数 0.56 0.51 0.22 0.24 0.14 0.13 0.36 0.35 教員数 0.53 0.49 0.20 0.25 0.13 0.13 0.36 0.35 教員当り 0.61 0.50 0.26 0.34 0.18 0.17 0.36 0.33 学級当り 0.57 0.59 0.23 0.35 0.16 0.18 0.30 0.36
学校規模の代表値とみられる生徒数,学校数,教員数
はともに学力と正の相関を表わしている。更に地域相互
に比較してみると商業市街地域は他の3地域に比して,
相関がきわめて高い。次いで普通農村地域,農山村地域,
そして純農村地域は著しく低い相関を示している。
これは商業市街地域は他に比して学校,学級規模と,そ
の他の教育諸要因との間に強い関連があるのに対して他
の3地域ではその関連の程度が低いことになる。
更にその図表より9学級から14学級に向って学力の上
昇曲線がみられる。これから学級規模が大きいほど学習
効果が高められると考えられる。しかし,学習効果から
みた学校規模には当然限界がある。これについては今後
の問題として残されるが9〜14学級が限度でないだろうか。
6 診断的性格を帯びた福島県で標準化した
学力検査問題
(1) 学力検査問題の作成
昭和34年度をもって完成していた標記の国語,算数・
数学の検査問題を,指導要領の改訂に即して問題内容を
改訂し,環場の要請に応ずることにした。本年度は残さ
れた小学校1,2年と中学校3年生の改訂をとりあげく小学
校,中学校の全学年2教科分の完成を見たことになる。
この問題は学年末に実施すれば,年度における指導の
反省,個々の子どもや学級または学校の全県的な位置づ
けができる。また学期初めに実施すれば,レデネステス
トとして,個々の学力や学級または学校の傾向を診断し
て,年度の指導計画作成のための資料にすることができ
る。
問題作成では,指導要領の分析と県内で使用している
おもな教科書の内容分析を経て検査問題の素材を整え作
問に当った。
問題作成の過程では検査問題の領域の設定と評価の観
点と,それに対応する作問の内容などの検討をじゅうぶ
んにして,1月17日,18日の2日間にわたり,各教科別
に小学校1年430名,2年460名,中学校3年生550名を
選定して予備テストを実施した。
この結果によって統計的な妥当性を検討して問題の修
正を施し,最終的な検査問題案とした。なお,予備テス
トでは本案の1.5倍程度にして実施し,結果によって取
捨選択した。
この最終的な案を問題作成委員会によって検討し,診
断的性格を帯びた学力検査問題の完成をみた。
学力検査問題の作成委員会の構成は次のとおりであ
る。
国語部会
福島大学学芸学部教授 源後三郎
福島大学学芸学部助教授 菅野宏
福島大学付属中学校教諭 小平卓男
福島大学付属小学校教諭 村岡房之助