教育年報1963年(S38)-018/180page
5 社会教育主事の待遇,研修を改善し,また,人口1
万末満の町村の設置猶予規定を削除すること。
6 市町村スポーツ振興審議会設置経費を地方交付税に
積算すること。
7 体育指導委員の待遇改善をすること。
8 市町村に体育主事を設置すること。
なお,これらについては,法改正,地方交付税への積
算,ならびに国庫補助対象とすること等の内容をも含ん
でいる。
〇教育委員会制度改善の研究,調査
38年11月中旬,全国都道府県教育長協議会から本県教
委に対して,研究課題「教育委員会制度の改善につい
て」の研究附託がなされた。この課題の骨子となるもの
は市町村教育委員会の充実ということにあるので,11月
以降,次の調査を行ない研究の基礎資料を得ようと図った。
1 各市町村教委運営上の問題点の調査
12月下旬までに各出張所を通じての意見調査を行な
い,問題点を整理した。
2 各市町村教育委員会事務処理実態調査
2月上旬に各市町村教委に対して事務処理実態調査
を行なった。この調査によって,その職務権限の執行
状態を把握し,改善方策樹立の資料を得ることを図った。
なお,これらを基礎にして39年度においても研究を進
めることとなっている。
〇県地方課に対する要望および連係
市町村行財政の指導を担当している県地方課に対し
て,次のような要望および連係を図り,市町村教委の運
営についての改善を進めようとした。
1 昭和39年度市町村予算編成指導における要望事項
38年6月に各市町村教委より要望事項を聴取して次
の項目にまとめ,38年12月12日に県地方課に提出し,
39年1月6日に回答を得て,1月中旬に各市町村教委
に配布した。
( 1)市町村教育予算の適正化
( 2)事務局職員の増員
( 3)委員報酬の引き上げ
( 4)教育長給付の引き上げ
( 5)社会教育主事の設置
( 6)社会教育主事給料の引き上げ
( 7)事務補助員,用務員および給食従事員の身分の改
善ならびに増員
( 8)右職員給料の引き上げ
( 9)小・中学校教材用消耗品費,設備費および図書費
の増額
(10)専任常勤公民館長の必置
(11)社会教育関係事業費の増額
2 市町村教育委員会関係職員研修会講師の招へい
38年10月17日より11月8日までに行なわれた右研修
会に講師として次の各氏を招へいした。
県地方課 行政係長 中野清雄氏
〃 主査 船尾允也氏
演題 「財務会計制度の改正について」
3 昭和39年度市町村予算編成指針への掲載
市町村予算編成指導についての年式の文書が右の指
針であり,これによって県地方課が指導をしている次
第である。
県教委としては,前記1にのべた要望事項を提出し
たが,その回答の大部分が同指針に掲載され,県地方
課の指導するところとなった。
(1)教育費を合理的に編成すること。
(2)長の予算案作成に当っての教育委員会の意見聴取
(3)事務局職員は可能な限り配置すること。なお,他
の部局の事務量と比較して適正配置とすること。
(4)委員および教育長給与の著しく低額の場合は,適
正を期すること。
(5)勤勉手当は,教育長については,条例措置があれ
ば支給できる。
(6)教材費等は国庫負担基準により計上すること。
(7)社会教育主事を必置すること。(人口1万以上の
町村の場合)
(8)公民館主事を極力設置すること。
(9)その他
4 「市町村財務規則準則」および「昭和39年度市町村
予算編成指針」の頒布
地方自治法の一部改正により,財務会計制度が大き
くかわったので,それにより県地方課においては,
「市町村財務規則準則」を作成した。これを資料とし
て各市町村では財務規則を作ることとなるが,教育委
員会としては,できるだけ事務執行の円滑を図るため
に,資料として頒布したものであるから,よく検討す
ることが必要と思われる。
また,昭和39年度市町村予算編成指針は,地方自治
法の改正に基づき,予算科目が大きくかわったが,その
解説が掲載されているうえ,明年度の教育費予算計上の
観点がのせられているので,検討するうえに必要な資料
と思われるので頒布した次第ある。
5 国立教育会館寄附金について,各市町村の協力山方,
指導されるよう要望した。
〇市長会,町村会等に対する要望,連係
市長会および町村会は,県下市町村の行財政について
連絡調整を図っているので,これに対する連係,要望は
欠くことのできないものである。
1 市町村教育委員会連絡協議会(地方協議会を含む。)
負担金については,昨年同様,申請書を市長会および
町村会に提出したが,遺憾ながら,昭和37年度の予算