教育年報1963年(S38)-021/180page
(備考)本県は秘書室,行政係3名のうちの2名
(7)市町村教委育成指導費(県費)
長野 県費はない
岐阜 423,700円
滋賀 270,000円
三重 249,000円
(備考)本県は195,000円
〇市町村教委育成指導のために秘書室において作成し,
配布(予定)した資料,(1部分紹介,あっせん資料も含む。)
1 第12回市町村教育委員会関係職員(事務局職員)研
修会要項 120ページ
(内容)
〇地方自治法の一部改正について(主として財務会計
制度)
〇ILO第87号条約批准に伴う国内関係法の一部改正案
〇公文例規および法制執務の初歩
2 第13回市町村教育委員会関係職員(教育長)研修会
要項 120ページ
(内容)
〇公立文教施設整備新5か年計画について(資料15種類)
〇昭和39年度市町村教育予算編成上の諸問題(資料20
種類)
3 昭和39年度市町村予算編成指導における要望事項
4ページ
4 昭和39年度市町村教育関係予算編成に対する要望事
項 20ページ
5 教育行政関係質疑応答集 73ページ
6 昭和39年度市町村予算編成指針(あっせん資料)
96ぺージ
7 市町村財務規則準則(あっせん資料) 193ページ
8 市町村教委事務処理実態調査票 37ページ
9 市町村教委関係行財政調査報告(仮称) 100ページ
計7種,474ページ分の資料を作成(一部予定)し,
配布し,計2種,289ページ分の資料をあっせんし,
合わせて9種,763ページ分を手がけたこととなった。
〇各出張所における育成指導の状況
市町村教委育成指導については,以上のほか,各出
張所においても細部にわたった活動がなされているの
で,その概況をのべたい。
1 市町村教育長任命承認における市町村の指導
市町村教育長任命承認の場合,あらかじめ市町村長
および市町村教委に対して指導助言を行ない,その人
選の適正を図った者は21名となった。
2 市町村教育長給与改善
昭和38年度市町村教育長給与費国庫補助事業に関し
て,補助対象が月給与額3万円以上となったので,極
力補助対象となるよう指導助言した結果,118市町村
教委が補助対象となり,非補助対象は3町村となつ
た。これを37年度と比較した場合,3万円以下が37年
度は63町村であったのに対して38年度はわずかに3町
村となったことは,おどろくべき指導力を発揮された
ものといわなければならない。
3 事務局職員定数増
昭和37年度の市町村教委事務局職員の総数は432名
であったが,各出張所の指導により,わずかながらも
改善され,38年度においては456名,差引き16名の増
となった。きわめて困難な職員増ではあるが,今後も
着々と進められるものと期待される。
4 教育委員報酬改善
昭和37年度においては,県下各市町村教委一人当り
の報酬は,年額にして委員長は29,436円が38年度にお
いては31,878円となり,委員は24,820円が24,949円と
なり,比較的よく改善された。
5 小,中学校教材用消耗品,設備,備品および図書費
の増額
38年度の決算はまだなされていないのでその実情は
不明であったが,昭和36年度と37年度との比較におい
ては,県下各市町村の総額は,小学校において合計11
1,997千円が,179,586千円となり,中学校においては
合計約100,456千円が,147,924千円となり,相当大巾
な増額がみとめられた。これは,学力向上と関連し
て,各出張所の指導の効果と思われるものである。
6 市町村教育行政の確実な推進についても大いに指導
されたところであるが,なお,今後の各市町村教委事
務処理実態調査の結果をまってのべることとしたい。
以上,昭和38年度の市町村教育委員会の育成指導およ
びその活動のあらましをのべたが,今後の課題として次
の諸点を検討すべき余地があるものと思われる。
1 小規模市町村教委について,その事務処理実態を把
握し,円滑な運営をさまたげている原因を探求するこ
と。このためには制度それ自体についても検討を深め
ること。
2 市町村教委の組織,運営,職員定数,予算,事務執
行等の適正をはかるために長および議会に対する制度
上の指導助言を行なうこと。
3 地方自治体における長,議会および教育委員会の職
責,権限の明確化を図り,普及徹底を図ること。
4 教育事務に関しての他機関および団体,特に県,市
町村ならびに市長会および町村会との連絡提携を積極
的に行なうこと。
以上であるが,要は県教委と市町村教委とが協力し合
って,さらに市町村教委関係行財政の充実強化を図らな
ければならないと考えている。