教育年報1963年(S38)-071/180page
小・中学校においては「道徳」の時間が特設されてか
ら6年目をむかえた今日,各学校における指導体制も一
応整い,かつ各地区での自主的研究団体の研究活動もよ
うやく活発となってきている。しかし,全般的に考察す
るときなおいくつかの問題が見いだされる。年間指導計
画を改善して指導のねらいを的確にすること,適切な資
料を整備することなど今後の問題として残されている。
高等学校においては昭和38年度から新教育課程が実施
されるとともに「倫理,社会」も実施にはいったわけで
あるが,実際に授業が行なわれるのは明年度からであ
り,その基礎研究が自主的に取りあげられている。
本年度は文部省において各県に道徳教育研究学校を指
定したが,本県でも小・中学校それぞれ2校ずつ計4校
指定をうけ,実践的な研究を推進しつつある。また,文
部省,県教委共催して東日本地区道徳教育講習会が開催
され,一流の中央講師による講義と会場校の充実した実
演授業は参加者に多大の感銘を与え,道徳教育進展のう
えに大きく寄与するものと考えられる。
本年度県教委主催にかかる研究会ならびに講習会は次
のとおりである。
(1)小学校教育課程研究集会道徳部会
1) 研究主題
(共通問題)中学年における道徳指導上の問題につい
ての研究一特に読み物利用の指導を中心にして。
(県問題)資料の収集,整理とその活用をどのように
したらよいか。
2) 期日 7月29日(月),30日(火)の2日間
3) 会場 県北,県中,県南,会津,石城,相双の6地区
(2)中学校教育課程研究集会道徳部会
1) 研究主題
(共通問題)道徳の時間の指導の効果をあげるために
は,学級活動との間にどのように関連をはかったらよ
いか。
(県問題)資料の集収,整理とその活用をどのように
すればよいか。
2) 期日 7月31日(水),8月1日(木)の2日間
3) 会場 県北,県中,県南,会津,石城,相双の6地区
(3)東日本地区道徳教育講習会
1) 期日 11月5日(火),6日(水),7日(木)の
3日間
2) 会場 信夫郡飯坂町
全体会・部会〜飯坂小学校
部会〜湯野小学校,大鳥中学校,中央公民館,
福島県婦人会館
3) 参加範囲ならびに参加者数
北海道,東北,関東,甲・信・越,静岡の18都道県
4) 参加者 小・中学校の教員のうち都道県教育委員会
が推薦するもの600名
5) 全体講演「現代の道徳観と道徳教育」国立教育研究
所長 平塚益徳
6) 部会主題ならびに講師
第一部会 道徳教育の全体計画とその指導,他領域と
の関連(小)お茶の水女子大学助教授 宮田丈夫
(中)広島大学教授 内海厳
第二部会 道徳の年間指導計画
(小)国立教育研究所指導普及部長
小沼洋夫
(中)文部省中等教育課教科調査官
飯田芳郎
第三部会 道徳の指導方法
(小)東京都教育大学教授 鈴木清
(中)東京都教育庁指導部第四課主査
宇留田敬一
一般講師 文部省初等教育課長 西村勝己
同 教科調査官 青木孝頼
同 井沢純
同 事務官 平島明
7) 実演授業
飯坂町立飯坂小学校
学年 主題 指導者
1の2 やくそく 渡辺敏子
2の4 みんなで使うもの 斎藤輝
3の3 なかまはずれ 赤井サト子
4の4 だいじなからだ 郡司次男
5の2 そうじ 門馬勇
6の3 大きな愛情 坂田芳雄
飯坂町立湯野小学校
1の3 わすれもの 根本敬子
4の3 やくそく 菅野英子
6の2 わたしの尊敬する人 森次朗
飯坂町立大鳥中学校
1の2 望ましい家庭生活 斎藤健次
1の4 自分の長所と短所 長沢セツ
2の3 男女の協力 菅原信治
2の5 わたしの悩み 安斎満里子
3の1 自己をみつめて(反抗心) 菅野五郎
3の2 自己をみつめて 熊坂金典
(利己主義と競争心)
(4)文部省道徳教育研究学校
1) 白河市立五箇小学校
ア 校長名 吉田三郎
イ 研究主題 道徳教育において資料,特に視聴覚教
具教材をどのように整備し活用したらよいか
2) 平市立平第一小学校