教育年報1963年(S38)-082/180page
イ 研究協議
1年の入学当初における,1・2年複式の指導をど
う行なうか,生活経験の狭さからくる指導の困難をど
う克服するか,へき地山村の児童に対する指導上の留
意点,複式授業で学力の向上を図るための留意点等に
ついて話し合った。
5) 第2分科会(被式学級における理科指導)
・司会者 西会津町立新郷小校長 清水正夫氏
・助言者 両沼出張所指導主事 栗城譲氏
耶麻出張所指導主事 二瓶義喜氏
ア 研究発表
(ア)複式学級における効果的な理科の指導計画並びに
指導法 下郷町立江川小教諭 佐藤正幸氏
(イ)同上主題 西会津町立奥川小教諭 矢部力男氏
イ 研究協議
指導計画作成並びに効果的学習指導法について話し
合った。とくに,個別指導のしかた,分校と本校との
連絡提携の具体方法などについて話し合ったことは有
意義であった。
6) 第3分科会(小規模学校・分校の経営)
・司会者 慶徳小校長 小林達氏
・助言者 南会津出張所指導主事 平野清吉氏
耶麻出張所 指導主事 武藤成能氏
ア 研究発表
(ア)複式理科学習指導計画および指導法
新鶴2小教諭 二瓶重夫氏
(イ)分校経営二年目の実践と反省
東山小教諭 渡部幸江氏
(ウ)分校経営二年半の歩み
裏磐梯小教諭 山内宏裕氏
(エ)分校経営はどのようにしたらよいか
河東2小教諭 大橋酉助氏
イ 研究協議
地域づくり(地域住民への働きかけ),教師の問題
(教職経験のある教師を分校へ,複式指導計画例の活
用,自己研修のしかた,指導資料の活用等について話
し合った。
ウ 全体会
県係官の指導と,山村教育研究会長のあいさつなど
があった。
この日快晴に恵まれ,授業参観,分科会,全体会等
日程を滞りなく終わった。
2 小規模学校研究協議会
(1)期日 昭和38年7月16日(火)
(2)会場 会津若松市立第一中学校
(3)趣旨
小規模学校における,指導と管理上の問題点について
研究協議を行ない,管理者としての資質を高める。
(4)研究会状況
この日,関係学校の校長,教頭,分校主任等約110名
が参集した。開会式後連絡事項の説明,研究発表および
質疑,分科会,全体会と日程を進め,おわりに,講演を
聴取して会を閉じた。
(5)研究発表
1) 小規模学校(分校を含む)における学習指導上の困
難点をどう解決したらよいか
安達郡岩代町立杉沢小教諭 村田友之氏
2) 複式学級における指導計画
石川郡平田村立蓬田小教諭 佐藤力夫氏
3) 小規模学校における効果的な学校経営
耶麻郡西会津町立黒沢小学校長 児島常夫氏
4) 小規模学校における効果的な学校経営
石城郡三和村立上三坂小校長 阿部隆氏
(6)第1分科会(校長部会)
1) 研究協議内容
3学年複式の解消の方向,小中併設学校の日宿直勤
務について,職員兼務辞令発令の要望,へき地教員の
優遇策,複式教科書の編集,へき地教育施策等
(7)第2分科会(教頭部会)
1) 研究協議内容
兼務辞令の発令要望,教員の定数増の要望(特に事
務職員配置),中堅教員の配置,へき地教育振興費の
増額要望,分校予算の独立,複式授業充実のための指
導計画の作成と指導法の研究
(8)第3分科会(分校主任,教諭部会)
1) 研究協議内容
効果的な学習指導のあり方,複式学級の特質を生か
した個別指導,3箇学年複式カリキュラムの編成,プ
ログラム学習方式の移入,視聴覚教材の活用のしか
た,分校と本校との協力等
(9)全 体 会
1) 分科会報告と質疑
2) 講演「小規模学校における学習指導法」
講師 文部省初中教育局初等教育課課長補佐
奥田真丈氏
ア 講演内容
(ア)人づくりの問題(科学技術の進歩に応ずる人,道
徳的判断実践力を持った人,夢と希望をもった青少
年育成,国際社会において尊敬と信頼をうけられる
日本人
(イ)へき地小規模学校の教育(学力テストの結果では
全国的に低いが,個々の学校では上位に入っている
学校もある,新教育課程を個々の学校に定着させる