教育年報1963年(S38)-083/180page
べきである)
(ウ)小規模学校の学習指導について(優良教員の確
保,多くを教えるのでなく少ないことを徹底して教
える必要がある,個別指導の徹底,複式学級など個
人差の多い少人数の学級では均質化しないで1対1
で指導,同単元で進める指導が効果的,チームで研
究し計画をつくる,新しい教育技術をとり入れる,
教科書・ワークブック・ワークシートの問題,補助
教材の利用
(エ)昭和39年度国予算(小規模学校へ重点をおく,標
準法の改正)について
(10)閉会式
3 文部省へき地研究学校発表会
昨年度から本年にかけて,2か年継続研究を行なった
大沼郡金山町立玉梨小学校の発表会を11月27日(水)に
開催した。当日は,県下のへき地学校に勤務する教職員
等約120名参集し,同校の学校経営ならびに学習指導を
中心にして研究を行なった。地域社会の熱意あふれる学
校への援助と,学校当局の行き届いた2か年にわたる研
究はりっぱに結実し,へき地教育の振興に大きな示唆を
もたらし,参集者に深い感銘を与えた。
(1)研究主題
「へき地学校における基礎学力を高めるための学習指
導法の研究」
(2)研究内容
1) 実態の分析(全国一斉学力調査,県診断学力調査,
学校独自の評価)
2) 学習の個別化の研究(学習のスモール,ステップ
化,シンクロファックス活用,学習指導の評価とその
活用)
3) 視聴覚教材の精選と活用
4) 土地の自然物利用による造形教育(木の実,根,枝
等による造形学習,軽石の利用等)
5) 現職教育体制の確立(学級訪問,授業研究会,ひと
り1研究の推進等)
6) 教育環境の整備(学級経営のくふう,学校環境の研
究と実践)
7) 地域との提携(地域ぐるみの学力向上)
4 複式学級音楽学習指導計画例説明会
文部省と本県教育委員会が共催のもとに,昭和38年2
月飯坂において開催した,東日本地区説明会の本県での
伝達説明会である。本年は次の2方部で行なった。
9月 6日(金) 浜通り会場 平第1小学校
9月13日(金) 会津会場 若松城西小学校
両会場とも午前中この計画例の趣旨内容についでの説
明があり(浜通り会場は石城出張所指導主事志賀功氏,
会津会場は南会津出張所指導主事平野清吉氏講師とな
る),午後はこの計画例に基づく指導の参考資料をテキ
ストとして,音楽実技の講習を行なった。(本庁指導主
事が担当講師となる)複式学級の学習指導は実際に切実
なる問題であり,困難な面が多いので,参集の教職員各
位は終日きわめて熱心に受講をされた。
この複式学級音楽学習指導計画例は,第1・2学年,
第3・4学年,第5・6学年,複式学級における題材の
配列および展開例を示したもので,地域や児童の実態に
即するとともに,できるだけ同じような題材を選び,共
通な学習活動を構成して学習指導を進めながら,学年の
差にも応ずるように配慮して作成した学習指導計画である。
この計画例を参考にされて,いっそう適切な指導計画
の立案と学習指導の改善充実に努めていただくことを願
って作成されたものである。
第9節 特殊教育
1 盲学校,聾学校
盲,聾学校は,福島,郡山,会津,平にそれぞれ4校
あり,校舎の増築や,施設設備の充実に努力中である。
(1)児童生徒数
福島 郡山 会津 平 計 盲 ろう 盲 ろう 盲 ろう 盲 ろう 盲 ろう 小学部 男 11 30 14 58 10 26 女 11 37 7 35 10 31 計 22 67 21 93 20 57 20 78 83 295 中学部 男 12 18 25 26 10 21 女 8 10 16 20 3 13 計 20 28 41 46 13 34 15 39 89 147 高等部 男 22 26 女 13 17 計 35 43 35 43 専攻科 男 9 女 5 計 14 14 別科 男 5 女 11 計 16 16 計 107 138 62 139 33 91 35 117 237 485
(2)福島県盲聾教育研究会
〔盲部研究会〕
研究主題 点字の基礎能力を高めるための指導法
期日 昭和38年6月25日