教育年報1963年(S38)-101/180page
社会教育
第1節 社会教育一般
1 概 況
科学技術の革新を基軸とする経済の高度成長に伴い,
社会各般の情勢はいちじるしく進展し高度化されている
が,これに対応する県民の福祉と県勢の発展をはかるに
は県民の資質の向上が前提となる。したがって学校教育
と相まって教育の重要な分野である社会教育のいっそう
の充実振興をはかるため,本年度は下記の努力事項をか
かげ,各種の事業を実施した。
(昭和38年度努力事項)
1 総合社会教育の推進
(1)学校ならびに社会教育に関係ある行政機関,団体と
の連けいによる社会教育活動の推進
(2)総合社会教育指定市・町・村の育成
(3)家庭教育の振興
2 勤労青少年および成人教育の振興
(1)青年学級の整備拡充と運営の改善
(2)婦人学級の充実と運営の改善
(3)成人学校(級)の普及
3 社会教育関係団体の健全な活動の助長
(1)少年・青年・婦人団体・PTAの指導者の養成と健
全な地域活動の助長
(2)県単位団体の健全な活動の助長
4 芸術文化の振興と文化財保護行政の強化
(1)芸術文化活動の振興
(2)芸術文化団体の育成
(3)文化財保護施策の強化と教育的活用
(4)保護対策を要する文化財の調査
5 社会教育施設の整備充実と管理運営の改善
(1)独立公民館の設置促進と既存公民館の整備充実
(2)公民館管理運営の改善
(3)県視聴覚ライブラリーの充実と県地域視聴覚ライブ
ラリー相互連けいの強化
6 社会教育指導態勢の強化
(1)社会教育委員,社会教育主事,公民館主事等の設置
促進
(2)社会教育関係職員の現職教育の充実
(3)婦人教育指導員の活動態勢の強化
社会教育は学校教育のように定型的なものでなく,そ
の範囲,内容ともにきわめて広範多岐にわたる教育の分
野であるばかりでなく,歴史的にも日浅く制度的にいま
だ確立されていないため,行政上多くの問題等があり,
個々の行事はもとより社会教育行政全般にわたって反省
を要する点が多々ある。本県の社会教育を今日の段階よ
り飛躍的に発展させるためには
(1)社会教育施設の整備充実
(2)社会教育財政の確立
(3)社会教育行政体制の整備と指導体制の確立
といった基礎条件の整備がきわめて重要である。今後
市町村教育委員会との緊密な協力連けいのもとにこのよ
うな基礎条件の整備にいっそう努力してゆきたい。
2 市町村社会教育主事研修会
(1)目的 社会経済の進展に伴い,市町村社会教育主事
等に対し,今日の社会教育を進めていくために必要な専
門的知識技能を修得し,もってその資質の向上と指導力
を高める。
(2)期日,会場,参加者数
38・8・27〜9・1 福島大学50名
(3)講師
福島大学学芸学部長 平井博
〃 教授 田口孝之
〃 教授 堀口知明
東北大学教育学部教授 竹内利美
日本銀行福島支店長 泉清美
福島県農政部長 立沢甫昭
福島県教育委員会教育次長 鮫島文男
〃 社会教育課長 松田吉与
・助言者
安達郡東和町長 安斎儀一
〃 教育長 木口庄松
〃 教育次長 高野与四男
(4)参加者 市町村社会教育主事,公民館主事(経験年
数3年以上の者)
(5)内容
1) わが国経済の動向について
ア 目標 昨年秋金融引きしめが行なわれてから最近
に至るまでのわが国経済の動向について,さらに金融
引きしめが,福島県内経済にいかに影響したかを明ら
かにする。
イ 主要事項
(ア)生産高の推移 (イ)設備投資の増減 (ウ)在庫投資の
増減 (エ)個人消費需用の強弱 (オ)卸売物価の上昇,
下降 (カ)国際収支の赤字,黒字
ウ 留意事項社会教育を進めてゆくために必要な経