高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-003/82page

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全日制普遍科における教育課程について

1 教育課程編成の現状

高等学校教育が,根底から問いなおされ,改革を迫られている今日において,その改善発展を図るためには,高等学校における教育活動の基本計画である教育課程について考察を加える必要がある。以下は,昭和50年度に提出された福島県公立高等学校全日制普通科,58校(本校51校,分校7)の教育課程編成の現状である。

(1) 目標の設定

高等学校教育の目的及び目標は,学校教育法第41条,第42条に示されている通りであるが,各学校においては,地域の実態や,生徒の能カー適性・進路等を十分に考慮して,教育課程を編成することになっている。目標として取り上げられたものを,多い順に分類すると,次の通りである。

目標の内容 学校数
自主性,個性の尊重 45
法の条文そのまま 36
明るく豊かな情操の陶冶 30
社会性の涵養 29
勤労観,職業観の育成 29
健康体力の増進 20
真理の探求 15

学校教育法に示された「国家及び社会の有為な形成者」,「将来の進路決定」,「個性の確立」等の目標を軸として,各学校は,いくつかの(3〜5)のほぼ共通した目標を定めている。

「真理の探求」を目標とするのは,58校中15校にすぎず,その多くは,いわゆる進学校といわれる旧制中学校の伝統を受け継ぐ学校である。

(2) 各教科の履修

各教科・科目については,標準単位数が定められ,生徒の実態に応じて,弾力的に履修単位数を定めることになっているが,必修科目と選択科目ににより,標準単位数を上回る数,下回る数にちがいがある。各教科・科目の履修状況は次の通りである。選択により増加単位がある場合は,最大限を示す。科目名の下の( )は標準単位数である。

「国語」

科目 履修単位数 学校数
現代国語
(7)
11 4 58
10 8
9 17
8 27
7 2
古典1甲
(2)
4 1 2
3 0
2 1
古典1乙
(5)
8 2 56
7 2
6 18
5 34
古典2
(3)
6 2 51
5 4
4 19
3 25
2 1

国語の履修に当たっては,現代国語を1〜2単位増加し,古典1乙と古典2を標準単位数か,あるいは,1単位増加して,履修させるのが最も多い。古典1甲を履修する2校は,いずれも分校である。普通科においては,大学受験の準備もあって,古典1


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