高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-011/82page

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現在の過密といわれる普通教育の最終段階である高等学校が,国民教育としてほとんどすべての青年を教育するに当たって,必修とする教科・科目は,むりのない余裕のある学習を進めるため,国語,芸術,体育及び農業,工業,商業,家庭,水産等の職業に関する教科の基礎を総合したもの(かりに「生活」と呼んでもよい)の4教科とする。

社会,数学,理科,外国語は中学校までの学習を補充,強化することを,第一段階とし,それぞれの教科から,いくつかの科目を選択して,高度な学習に移れるようにする。

各教科・科目および標準単位数は次の通りとする。

教科 科目 標準単位数
国語 基礎国語 5
総合国語 5
実践国語 5
分化国語 5
社会 総合社会 5
日本史 5
世界史 5
地理 5
数学 数学1 5
数学2 5
数学3 5
理科 物理 5
化学 5
生物 5
地学 5
保健体育 体育 12
保健 3
芸術 音楽 2
美術 2
工芸 2
書道 2
外国語 英語1 5
英語2 5
英語3 5
英語会話1 2
英語会話2 2
職業 生活 9

数学と英語の科目の構成は,それぞれ1,2,3とし,どの段階まで履修してもよいが,1を修得して2に進み,さらに2を修得してから3を履修する。

卒業に必要な条件は,必修として,国語(基礎国語を含める)10単位,体育8単位,保健2単位,芸術4単位,生活6単位,計30単位と,選択として,2教科以上にわたって20単位を修得するものとする。

これは,週5日制,1日5時限授業を仮定して,各教科・科目について定めたのであるが,卒業の条件として,各教科以外の教育活動を考慮に入れなければならないことは当然である。

卒業に必要な50単位は,おそらく,学習意欲をもつ生徒ならば,2年次までに修得するであろうが,その場合には,3年次において,それぞれの進路に適したさらに高度な学習を続けることになるであろう。

3年次までに,卒業に必要な教科・科目の修得ができない場台は,4年次まで学習を継続する。

能力の劣る生徒も,時間をかけ,適切な方法で指導すれば,高等学校の基礎学力をマスターすることは可能である。高等学校の学習に,余裕とかゆとりが求められるのは,このゆえである。教育の質を確保するためにも,学習内容の理解定着に時間をかけるべきであり,高等学校を2〜4年の観察期間とするのもこのためである。

3) 各教科・科目の内容

各教科・科目の構造や内容が定められる場合に,各教科の専門家が,科学技術の開発進歩に応じて,その内容を増加していったのでは,授業時数かいぐらあっても足りなくなってしまう。学習指導要領に示された内容は,生徒の実態に応じて,精選集約することになっているが,実際問題として,授業は教科書中心に進められ,教科書は,全国の高校生に使用されることをねらって編集されるために,学習指導要領の内容を基準とはするものの,


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