高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-022/82page

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2 古典としての古文と漢文の基本的な作品を読んで,古典を読解し鑑賞する基礎的な能力を養い,思考力・批判力を伸ばし,心情を豊かにする。

3 古典を読むことを通して,言語感覚を豊かにし,国語に対する愛情を育てる。

古典1乙

1 古典の意義を理解し,古典に親しむ態度を養う。

2 古典としての古文を読解し鑑賞する能力を養い,思考力・批判力を伸ばし,心情を豊かにするとともに,読むことを通して,作品と時代や文化との関係などがわかるようにする。

3 古典としての漢文を読解し鑑賞する能力を養い,思考力・批判力を伸ばし,心情を豊かにするとともに,わが国の言語,文学,思想なとも関係の深い漢文を読むことを通して,そこに盛られている文化の特質や,わが国の文化との関係などがわかるようにする。

4 古典の読解,鑑賞を通して,言語感覚を豊かにし,国語に対する愛情を育てる。

古典2

1 古典の意義を理解し,古典に親しむ態度を養う。

2 精選された作品を深く読み味わって,その作品の特質がわかるようにするとともに,思考力・批判力を伸ばし,心情を豊かにする。

3 古典の読解,鑑賞を通して,言語感覚を豊かにし,国語に対する愛情を育てる。

要するに,「国語による理解と表現,それを通しての思考と批判,豊かな言語感覚の養成」がその目標であり,現行制度上の国語科教育の理念といえよう。

(2) 制度史的な視点

1) 昭和26年度試案の場合

国語学習指導の一般目標の前提として「その前に,国語は社会においてどのように働くか,国語を学習することはわれわれにとってどんな意義があるかをみきわめなければならない。」と言い,「言語の役割」を次のようにとらえている。

ア 言語は,互に意志を通じ合うのに必要で,社会生活には欠くことのできないものてある。

イ 言語は,思想や感情と深い関係をもち,考えを進めるうえに欠くことのてきないものである。

ウ 言語は,どんな学問や技術を学んでいくのにも媒介をなすものであって,この意味で文化の獲得創造に欠くことのできないものである。

この三つは,それぞれ「コミュニケーションの手段としての言語」「思考力や心情との関連における言語」「文化の継承創造との関連における言語」について述べたもので,現在も国語科教育を考える基盤となっているものである。

以上をもとにして,「国語を正しく効果的に使っていくようにすることが,国語学習指導の仕事である。」とのべ,「ことばを効果的に使用する習慣と態度を養い,技術と能力をみがくことであって,そのためにことばについての鑑賞力と知識と理解を増し,言語生活の理想を高めなければならない。」とか,「全体の教育の一環として民主的な社会を作り,国際的理解と親善を増し,国民道徳を高めることに寄与するよう常に心がけていなければならない。」とかいう点をその理念として掲げている。

2) 昭和31年度改訂版の場合

その教科目標は次の通りである。

高等学校の国語科は,国民の生活や文化を維持し,高めるために必要な国語に関する生徒の能力や態度を養うための教科である。そのためには,中学校の国語科を基礎として,いっそうことばの働きを身につけさせるとともに,より高い言語文化を享受させ,かつ,それを創造す


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