高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-023/82page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

る基礎を養うことが必要である。(中略)高等学校の国語科は,高等学校の教育の目的,目標の達成を目ざし,教育課租における国語科の位置に留意しながら,主として,読解する力,ことばを効果的に使用する力,ならびに各種の言語知識を養うことを目標とする。すなわち

1 言語文化を広く理解できるように,読解力を豊かにし,特に鑑賞力や批判力を伸張させその読解の範囲も,現代文とならんで古文や漢文にまで拡充させる。

2 現代の国語生活に対する適応や改善ができるように,いっそう的確に効果的にことばを使用しうる能力や態度を養う。

3 ことばの理解や表現をよく意識して正確なものにするために,また現在および将来にも必要な国語の教養を高めるために,各種の言語知識を身につける。

3) 昭和35年度改訂版の場合

ここでは,「言語の機能」に対する考え方と「国語科の指導」をどのような事実と考えるかということが目標設定の基礎となっている。

すなわち,「言語の機能」については,それが人間のあらゆる生活を達成するための重要な手段,媒介としての役目をもっているということを国語科の指導では留意していこうという立場をとる。また,国語科の指導はどのような事実であるかというに,それは言語生活を実践する力を教育することであるという立場をとる。

かくして,次の三つが目標としてあげられている。

1 生活に必要な国語の能力を高め,言語文化に対する理解を深め,思考力・批判力を伸ばし,心情を豊かにして,言語生活の向上を図る。

2 経験を広め,知識を求め,教養を高めるために,また,思想や感情を人に伝えるために目的や場に応じて正しく的確に理解し表現する態度や技能を養う。

3 ことばのはたらきを理解させ,国語に関する知識を高め,国語に対する関心や自覚を深めて,国語を尊重し,その発展に寄与する態度や習慣を身につけさせる。

4) 昭和45年度改訂版の場合

これは,現行制度の項でのべたので,省略する。

5) 昭和50年度教育課程審議会中間答申の場合

国語に関しては,次の二点について触れている。

1〜国語を正しく使う能力に必ずしも十分といえない点があり,とりわけ読み書きの能力が劣っているという指摘があるので,言葉の教育としての立場を一層重視し,表現力特に作文力を高めることに留意して内容の改善を図る。〜。

2〜現代国語と古典の基本的内容を総合して体系的に指導が行われるようにするため〜。

(3) 社会的な観点

1) 生涯教育の立場から

生涯教育ということは,1965年,ユネスコによって提唱されたLife long Integrated Educationの考え方に基づくものである。したがって,この概念にとって中心的な原理は,Integration(統合)だといわれる。そしてその統合には二つの局面があるとされる。すなわち,一つはタテ(垂直的,時間的)の統合であり,もう一つはヨコ(水平的,構造的)の統合である。

タテの統合原理

教育は人の誕生から死まで続くべきものであって,ある時期にのみ限定されてはならない。教育に終了,完成,卒業はあり得ない。ある時期の教育は次の時期の教育の基礎となり,準備となり,刺激となって連続発展すべきで


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。