高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-044/82page

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3 文の成分の順序を組みたてる力

4 段落ごとにまとめて書く力

5 事実や意見を正確に書く力

(8) 調査のまとめ

「入学生徒の基礎能力が各高校によってどの程度差があり,それがほぼいくつの段階にわけられるかを調べ,それにみあう内容の科目を用意し,それらによる教科構造を基本型として,さらにその変型を考えていけば,ある程度生徒の側にたった教育課程編成が可能になる」という見通しのもとに調査をすすめ,述べてきたとおり,段階とその差,基礎とすべき内容などをほぼつかむことができた。

もう一度,ここに大ざっぱにまとめて教科構造設計と実施上の問題にうつることにしたい。

                                          (表30)

調査校別領域別指導必要項目数 (数字は項目数)
段階
(学力テストの
平均値による)
a 言語要素 b きく話す c よむ d かく
(Aまで達しない高校) 49以下 ? ? ? ?
Aのような高校 50〜54 6 7 6 5
B2ような高校 55〜59 10 5 6 4
B1のような高校 60〜64 10 3 2 4
B1とC2の間の高校 65〜69 ? ? ? ?
C2のような高校 70以上 2 13 1 4
C1のような高校 7 1 1 2

Aの指導必要項目数  B2の指導必要項目数

B1の指導必要項目数  C2・C1の指導必要項目数


基礎とすべき内容は,高校によって異なるようである。

「読む」領域が,そのちがいがはげしく,AからCにいくにつれて必要とされる項目が少なくなっている。そのつぎが「きく・はなす」領域である。

「かく」領域は,C1を除いてほぼ同じ項目数であって,それらの高校では必要とされているということであろう。

「言語要素」関係については,C2を除いて,必要とされる項目数にあまりかわりはない。強いて言えばAとC1が少なく,B2,B1が多いというのが一つの型といえばいえる。

こうした点から,基礎国語,総合国語にもりこむべき内容や時間数を考えることができよう。

3 教科構造と教科内容

(1) 国語科の構造

すでに調査でもあきらかになってきたように,言語要素を主とする国語学習の基礎ともいえる科目,「聞く・話す」能力を体験的に身につけていくような科目,読書習慣をはぐくむような科目,総合的に国語の力を育てるような科目を各高等学校の実態にあわせて用意する必要がある。そしてそのうえに幅せまく深く国語文化を学んでいける科目をも準備することが,国語の能力の幅に対応する方途であろう。

そこで,国語科の構造は次のことを基本とする。

1) 必修科目―基礎国語


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