高等学校における生徒の能力・適正,進路志望等に対応した教育内容,指導方法等の研究開発について-045/82page

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言語要素的な能力の定着をはかる基礎的な科目とし,どの学校にも共通な内容とする。ここには「書く」分野の基礎と練習も加える。

2) 選択科目―総合国語

        ―実践国語

        ―分化国語

必修科目のうえに履習させるものとし,能力適性,進路に応じられるよう幅広くさまざまな内容とする。

総合国語は,「よむ」分野,「かく」分野の能力で,文章を読んだり,書いたりする総合的学習の中でそれを伸ばしていこうとするものである。

実践国語は,「はなす・きく」分野、「かく」分野にわたる日常生活に必要な国葬の能力を体験的に養っていこうとするものである。

分化国語は,「よむ」,「かく」分野の能力を高め,より高度な国語文化の享受,創造への関心を深めるものとする。

(2) 授業時数

授業時数をきめる場合,「基礎国語」の」上限と下限をどうするかということを解決しておかなければならない。

基礎国語設定のもととしては,調査結果にあらわれた生徒の能力の実態があるわけで各高等学校の学力テストの差や入学後必要とする国語能力の差からみて,やはり,学校によっては入学後一年間(5単位)基礎能力の再点検を必要とするようである。また,学校によっては,総合的な国語能力が高く,基礎的な力はごくわずか足りないところがあるだけで,それほど時間をかけなくてもいいところもある。

そこで,次のように時間を設定することとした。

1) 必修科目―基礎国語

生徒の実態に応じて5単位とする。

2) 選択科目―総合国語

生徒の実態に応じて5単位とする。

3) 選択科目―実践国語

生徒の実態に応じて5単位とする。

4) 選択科目―分化国語

生徒の実態に応じて5単位とする。

以上のうち,1)を含めて10単位を卒業に必要な単位とする。さらに能力のある生徒については分化国語を学習させることもできる。

(3) 教科科目の構成モデル

それでは,卒業に必要な10単位の科目構成については,具体的にどのようになるのであろうか。次にひとつの例をあげてみたい。なお,基礎国語は標準5単位であるが,生徒の能力'適性に応じて5単位以下で修得させることができる。

まず,基礎国語の単位数を基準にして,実践国語,総合国語,分化国語,との組み合わせを考えてみた。次表がそれである。

                              (表31)

基準/科目 基礎国語 実践国語 総合国語 分化国語
基礎国語五単位 5単位 5単位 0単位 0単位
5 3 2 0
5 2 3 0
5 0 5 0
5 0 3 2
5 0 2 3
5 0 0 5
基礎国語三単位 3 5 2 0
3 4 3 0
3 3 4 0
3 2 5 0
3 0 5 2
3 0 4 3
3 0 3 4
3 0 2 5
基礎国語ニ単位 2 5 3 0
2 4 4 0
2 3 5 0
2 0 5 3
2 0 4 4
2 0 3 5

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